誰そ(読み)タソ

デジタル大辞泉 「誰そ」の意味・読み・例文・類語

た‐そ【誰そ】

[連語]代名詞「た」+助詞「そ」》
だれだ。
「―、この門たたくは」〈宇治拾遺・一〇〉
目下の者に呼びかける語。だれか。だれかいないか。
「やいやい、―をらぬか」〈虎寛狂・釣狐

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「誰そ」の意味・読み・例文・類語

た‐そ【誰そ】

連語〙 (代名詞「た」に助詞「そ」の付いたもの)
① 不明の人について、直接問いかけたり、まわりの人に尋ねたりする時のことば。だれだ。だれですか。
万葉(8C後)一〇・二二四〇「誰(たそ)彼と我をな問ひそ九月の露に濡れつつ君待つわれを」
※宇治拾遺(1221頃)一〇「たそ、この門叩くはといひければ」
目上の者が目下の者に呼びかける時のことば。だれかいないか。だれか。
御伽草子唐糸草子(室町末)「我君の御命を、ねらひ奉るくせものなり、それそれたそ」
③ どの人ということをはっきりとは言わない時に用いる。だれかある人。
※玉塵抄(1563)五「たそにあうていんぎんにしたなりぞ」

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