諸子(読み)しょし

精選版 日本国語大辞典 「諸子」の意味・読み・例文・類語

しょ‐し【諸子】

〘名〙
① 中国、周代の官名の一つ。諸侯世子教育などをつかさどったもの。〔周礼‐夏官・諸子〕
② 中国、春秋戦国時代から漢にかけて一家学説を立てた思想家たち。また、その人々の著書や学説。→諸子百家(しょしひゃっか)
※清原国賢書写本荘子抄(1530)一〇「諸子の事を云て第五段め也」 〔漢書芸文志
多くの人を敬っていう語。また、代名詞的に、同等もしくは、目下の人々に呼びかけるとき用いることがある。かたがた。諸君
※俳諧・本朝文選(1706)六・誄類・去来誄〈許六〉「京師にかまへて、諸子のかしらに坐す」
園遊会(1902)〈国木田独歩〉三「我が敬愛する諸子! どうですお休憩になっちゃア」 〔諸葛亮‐答李厳書〕
④ 何人かの子供。
法華義疏(7C前)二「言諸子在火宅内時、長者許門外三車。所以諸子楽三車。諍出火宅

もろ‐こ【諸子】

〘名〙 コイ目コイ科タモロコ属の淡水魚の総称。日本にホンモロコ、タモロコ、スワモロコの二種二亜種が分布しているが、いずれも全長約一〇センチメートルに達する。体はやや細長い。モツゴに似ているが、体が丸みを帯び、口が大きく、口ひげをもつなどの点で区別できる。背方は暗灰色で腹方は淡く、体側に淡青色縦帯がある。ホンモロコは琵琶湖特産であるが近年各地へ移殖。照焼・モロコ鮨などとして食用とし、特に冬に美味。《季・春》 〔名語記(1275)〕

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デジタル大辞泉 「諸子」の意味・読み・例文・類語

しょ‐し【諸子】

多くの人々を親しみや敬意を込めていう語。同等または、それ以下の人々をさしていう。代名詞的にも用いる。諸君。「学生諸子
中国代の官名。諸侯の世子の教育などをつかさどったもの。
諸子百家」の略。
[類語](1諸君諸賢諸兄諸姉諸氏諸家

もろ‐こ【諸子】

コイ目コイ科タモロコ属とイトモロコ属の淡水魚の総称。タモロコ・ホンモロコ・スゴモロコ・イトモロコなど。いずれも全長約10センチ。体は細長く、体側中央を側線が走り、一対の口ひげをもつ。食用。琵琶湖特産のホンモロコの飴煮などは有名。 春》いかだ踏んでのぞけば浅き―かな/虚子
近畿・伊豆地方で、クエの老成魚のこと。

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普及版 字通 「諸子」の読み・字形・画数・意味

【諸子】しよし

先秦の学者、思想家。〔漢書、芸文志〕戰國從衡(縦横)、眞僞爭し、子の言、亂(かうらん)す。秦に至りて之れを患(うれ)ひ、乃ちを燔滅し、以て黔首(けんしゆ)を愚にす。

字通「諸」の項目を見る

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動植物名よみかた辞典 普及版 「諸子」の解説

諸子 (モロコ)

動物。コイ科モロコ属に属する小型淡水魚の総称

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の諸子の言及

【諸子百家】より

…《史記》賈誼(かぎ)伝にみえる語。〈諸子〉とは,この期に独自の思想をかまえ,専門の学説を樹立した術芸の学士たちの意。〈百家〉は,その専門の流派の多さを象徴的に表現した量詞。…

※「諸子」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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