賀駄郷(読み)かだごう

日本歴史地名大系 「賀駄郷」の解説

賀駄郷
かだごう

和名抄」諸本とも文字の異同はなく、訓を欠く。「太宰管内志」は「可陀と訓ムべし」とする。比定地は未詳。現小郡市の井上薬師堂いのうえやくしどう遺跡出土の木簡(木簡研究二二)に「加太里白米二石半」とあり、賀駄郷との関連が指摘されている。観世音寺(現太宰府市)領が賀駄郷内に設定されたため、関係史料が多く残る。延喜五年観世音寺資財帳の薗団地章(薗圃地章か)には、大宝三年(七〇三)一二月二〇日の太政官符により施入された土地の一つとして「筑後国 (御)井郡加駄野」がみえる。観世音寺大宝四年縁起(大東急記念文庫蔵)にみえる大宝四年二月一一日の大宰府移案にも「賀太荒野 竹志後国三井郡地」とある。またこの地に関する文書が観世音寺に残っていたらしく、同寺が奈良東大寺末寺となった際に作成された保安元年(一一二〇)六月二八日の観世音寺進上公験等案文目録(筒井寛秀氏所蔵文書/太宰府市史 古代資料編)には「賀駄御薗 一通 公験等 員一六枚」とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

再生可能エネルギー

自然の活動によってエネルギー源が絶えず再生され、半永久的に供給され、継続して利用できるエネルギー。有限の資源である化石燃料などに代わる、新エネルギー(中小規模水力・地熱・太陽光・太陽熱・風力・雪氷熱・...

再生可能エネルギーの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android