資治通鑑綱目(読み)シジツガンコウモク

デジタル大辞泉 「資治通鑑綱目」の意味・読み・例文・類語

しじつがんこうもく〔シヂツガンカウモク〕【資治通鑑綱目】

中国歴史書。59巻。朱熹しゅきらの編。成立年未詳。「資治通鑑」を、綱(大要)と目(詳注)に分類して編集したもの。綱で朱熹史実要約し、目で門人趙師淵批評を加えている。

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精選版 日本国語大辞典 「資治通鑑綱目」の意味・読み・例文・類語

しじつがんこうもくシヂツガンカウモク【資治通鑑綱目】

  1. 中国、宋代の史書。五九巻。朱子撰。宋の司馬光の「資治通鑑」を綱目分けて編集したもの。「綱」では朱子が史実の要約を行ない、「目」では弟子の趙師淵が史評を加えている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「資治通鑑綱目」の意味・わかりやすい解説

資治通鑑綱目
しじつがんこうもく

中国の書名南宋(なんそう)の朱熹(しゅき)(朱子。1130―1200)の著。59巻。綱とは朱子が大別した重要事項、目とは門人の趙師淵(ちょうしえん)が綱に付した詳しい注で、『資治通鑑』を彼の儒教的名分論に基づいて綱目に編集した編年体の史書。『資治通鑑』を簡略化したもので史料的価値は低いが、朱子学の確立とともに、正統論として重んじられ、日本の『神皇正統記(じんのうしょうとうき)』や『大日本史』などの史論に与えた影響も大きい。

[柳田節子]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「資治通鑑綱目」の意味・わかりやすい解説

資治通鑑綱目
しじつがんこうもく
Zi-zhi tong-jian gang-mu; Tzǔ-chih t`ung-chien kang-mu

中国,南宋の朱熹 (→朱子 ) の撰といわれる史書。『通鑑綱目』とも呼ばれている。 59巻。司馬光の『資治通鑑』によって,その重要な事柄を掲げ,それを綱とし,それに注を施したものを目とした編年史大義名分を強調している。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「資治通鑑綱目」の解説

『資治通鑑綱目』(しじつがんこうもく)

南宋の朱熹(しゅき)の撰。59巻,凡例1巻。『資治通鑑』に直書された事実を朱熹が大義名分論,正統論に立って再編纂し,儒学的に結論を与えたもの。綱(こう)は朱熹のくだした大要で,目(もく)は門人趙師淵(ちょうしえん)の詳しい注。後世の史論に影響を与えた。

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旺文社世界史事典 三訂版 「資治通鑑綱目」の解説

資治通鑑綱目
しじつがんこうもく

南宋の朱熹 (しゆき) が司馬光の『資治通鑑』にもとづいてその綱目を作ったもの
王朝を正統・非正統の別に分け,綱(大要)と目(細目)に分けて記述。正確な歴史記述より義理を重んじ,『資治通鑑』を簡略化したもので史料的価値は低いが,朱子学の確立により後世に思想的影響を与えた。

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改訂新版 世界大百科事典 「資治通鑑綱目」の意味・わかりやすい解説

資治通鑑綱目 (しじつがんこうもく)
Zī zhì tōng jiàn gāng mù

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世界大百科事典(旧版)内の資治通鑑綱目の言及

【通鑑綱目】より

…中国,司馬光の《資治通鑑》を独自の観点から再編成した歴史書。全59巻。著者は南宋の朱熹(しゆき)(子)であるが,実際は朱熹の構想に基づいて門人の趙師淵が編纂したといわれる。綱(大綱)と目(細目)から成り,前者は《春秋》にならって毀誉褒貶(きよほうへん)の意を寓し,後者は《左氏伝》にならって事実を具体的に述べる。三国の魏に代えて蜀を正統にするなど,《資治通鑑》が事実と現実を重視するのに対して義理を尊重している。…

※「資治通鑑綱目」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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