贄遺跡(読み)にえいせき

日本歴史地名大系 「贄遺跡」の解説

贄遺跡
にえいせき

[現在地名]鳥羽市安楽島町 贄

鳥羽湾の南東部の入江の一つ、二地ふたじ浦に南面した海浜に所在する縄文時代から鎌倉時代の遺跡。波打際寄りでは満潮時に海面下になる。東へは細い岬が延びて弁天べんてん崎となり、西側は谷密度の高い標高二五メートル前後の丘陵地が続く。昭和四七年(一九七二)・四八年に発掘調査され、縄文時代後期と同晩期から弥生時代前期の竪穴住居跡七戸、奈良・平安時代の製塩遺構などが検出され、各時代の土器が多数出土している。縄文時代の一〇〇点を超える石鏃、一千五〇〇個近い石錘の出土は、海浜でありながら貝塚を形成しなかったこの遺跡の生活基盤を示唆する。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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