デジタル大辞泉 「赤ゲット」の意味・読み・例文・類語 あか‐ゲット【赤ゲット】 《「ゲット」は「ブランケット」の略》田舎から都会見物に来た人。お上りさん。明治初期、東京見物の旅行者が赤い毛布を羽織っていたところからいった。慣れない洋行者にもいう。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「赤ゲット」の意味・読み・例文・類語 あか‐ゲット【赤ゲット】 〘 名詞 〙 ( ゲットはケット、[英語] blanket から )① 赤い毛布。[初出の実例]「一枚の赤毛氈(あかケット)を四つ折にして敷物となしたるは」(出典:雪中梅(1886)〈末広鉄腸〉上)② ( ①を外套のように羽織っていたところから ) 田舎から都会に出て来た人をさげすんでいう語。田舎者。[初出の実例]「僕達赤毛布(アカゲットウ)は大晦日の晩だといふのに見物に出掛けたのです」(出典:漫才読本(1936)〈横山エンタツ〉自序伝)③ ( ②から転じて ) 不慣れな外国旅行者。[初出の実例]「後から旅の赤毛布(あかゲット)を突飛ばして行く様な無慈悲な男は一人も居ない」(出典:ふらんす物語(1909)〈永井荷風〉船と車)赤ゲットの語誌明治初年、赤ゲットが流行し、それを東北地方の角巻きのように用いたのが、東京見物の人々の服装の特色と見られ、そこから、②や③を意味するようになった。 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
改訂新版 世界大百科事典 「赤ゲット」の意味・わかりやすい解説 赤ゲット (あかゲット) ケットはブランケットblanketの略で,赤い毛布のこと。イギリスの貿易商が日本人もインド人などと同じく赤色を好むだろうと送り付けたところから,戊辰戦争時の新政府軍兵士の間で防寒具として用いられはじめた。1868年(明治1)には兵士一般に下賜されて民間にも浸透し,マントのようにこれをまとって都会見物に来た田舎者や,西洋の風習に慣れない初めての洋行者をも指した。執筆者:太田 臨一郎 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報