赤頭(読み)アカガシラ

デジタル大辞泉 「赤頭」の意味・読み・例文・類語

あか‐がしら【赤頭】

能楽歌舞伎で使うかつらの一。赤毛で長く、獅子しし猩々しょうじょうなどに使う。→黒頭くろがしら白頭しろがしら
赤茶けた頭髪
「―の子どもを」〈浮・男色大鑑・八〉
ヒドリガモ別名

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精選版 日本国語大辞典 「赤頭」の意味・読み・例文・類語

あか‐がしら【赤頭】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 手入れをしていない、赤茶けた頭髪。また、そういう頭髪の人。
    1. [初出の実例]「かの牛物をおひてのぼるありつるに赤(アカ)がしらの童は見えず」(出典:発心集(1216頃か)五)
    2. 「海士人やうしほにぬれて赤頭 浮藻かくれの鴨をとらばや〈重頼〉」(出典:俳諧・犬子集(1633)一〇)
  3. 獣のヤクなどの毛を赤く染めた鬘(かつら)。能楽や歌舞伎で獅子(しし)猩猩(しょうじょう)の頭として用いる。能では「猩猩」「石橋」など、歌舞伎では「連獅子」などに用いられている。
    1. 赤頭<b>②</b>
      赤頭
    2. [初出の実例]「物のかしらの品々〈略〉ゑぼしの頭、あか頭、くろ頭、地謡頭」(出典:仮名草子・尤双紙(1632)下)
  4. 近世の兜の鉢の周囲につけた兜蓑(かぶとみの)の一種。
    1. [初出の実例]「甲 カブト〈略〉赤頭 アカガシラ」(出典:運歩色葉集(1548))
  5. 鳥「ひどりがも(緋鳥鴨)」の異名。
    1. [初出の実例]「Acagaxira(アカガシラ)〈訳〉水鳥の一種」(出典:日葡辞書(1603‐04))
    2. 「山頭(さんとう)躑躅(つつじ)やかもの赤がしら〈直之〉」(出典:俳諧・鷹筑波(1638)四)
  6. 植物あかざ(藜)」の異名。〔和訓栞(1777‐1862)〕
  7. 植物「あかそ(赤麻)」の異名。

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動植物名よみかた辞典 普及版 「赤頭」の解説

赤頭 (アカガシラ)

植物。アカザ科一年草,薬用植物アカザ別称

赤頭 (アカガシラ)

植物。イラクサ科多年草アカソの別称

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の赤頭の言及

【頭】より

…前髪は額におおいかかり,横は両肩,後ろは身長におよぶ長い仮髪。赤頭(あかがしら),黒頭(くろがしら),白頭(しろがしら)の3種があり,役柄や演出により使い分ける。能の常の演出では,赤頭は神体(《賀茂》《嵐山》など),竜神(《春日竜神》《竹生島》など),天狗(《鞍馬天狗》《是界》など),鬼畜(《小鍛冶》《鵺(ぬえ)》など)に用い,黒頭は童子または慈童(《田村》《大江山》《枕慈童》など),怨霊(《通(かよい)小町》《藤戸》《船弁慶》など),《隅田川》の子方,《邯鄲》《弱法師(よろぼし)》のシテなどに用い,白頭は老体の神霊や鬼畜・霊(《玉井》《竜虎》《恋重荷(こいのおもに)》)などに用いるが,演出意図によって常は(かつら)をつける役が赤頭や白頭をつけたり,同様に赤頭を黒頭や白頭に,黒頭を白頭に変えたりする。…

※「赤頭」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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