走馬(読み)はしりうま

精選版 日本国語大辞典 「走馬」の意味・読み・例文・類語

はしり‐うま【走馬】

〘名〙
① 走っていく馬。走っている馬。
仮名草子可笑記(1642)四「はしり馬(ムマ)にすてぶちをうって、人よりさきに逃げ去り候へば」
競馬。くらべうま。また、競馬に用いる馬。
続日本紀‐大宝元年(701)五月丁丑「令群臣五位已上出走馬。天皇臨観焉」
急使の乗る馬。早打ちの馬。
増鏡(1368‐76頃)四「京よりのはしり馬といへば、なに事ならんと驚きながら」
④ たづなを離れて逸走する馬。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の走馬の言及

【競馬】より

…当初はニューマーケット競馬に関与しただけだったが,しだいに指導メンバーの見識と権威が他の競馬場にも影響を及ぼし,その後の変遷を経て,現在ではイギリス競馬の権威ある統轄機関となっている。
[日本]
 (1)古式競馬 日本で最初に文献にあらわれた競馬として《続日本紀》に記されている701年(大宝1)の走馬(はしりうま)が挙げられる。宗教的色彩が濃く,当時きわめて貴重な存在とされていた馬を神の乗物と想定し,各馬の資質を競い合い,その行事を神に奉納したとされているが,この行事は競駒(くらべこま),競馬(くらべうま)などの名でその後のいくつかの文献に顔を出し,清少納言も《枕草子》の中で,競馬観戦を記している。…

※「走馬」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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