足羽御厨(読み)あすわのみくりや

日本歴史地名大系 「足羽御厨」の解説

足羽御厨
あすわのみくりや

伊勢神宮の神領で、足羽川右岸の江戸時代の福井城下一帯に比定される。建久三年(一一九二)八月日付の伊勢大神宮神領注文(神宮雑書)

<資料は省略されています>

とみえるのを初見とし、また「神鳳鈔」には「内宮足羽御厨上分絹七疋、口入二十疋、百八十丁」と記す。前記神領注文には承安元年(一一七一)建立とあるが、神明社縁起(神明神社蔵)は延長二年(九二四)に伊勢神宮を分祀して神明社を建立したとしている。また「給主左兵衛督」は一条能保である。「吾妻鏡」建久三年一二月一四日条に「一条前黄門書状参着、以亡室遺跡廿ケ所、譲補男女子息」とあり、二〇ヵ所の所領の中に「越前国足羽御厨」が含まれているが、「已上廿ケ所、先日被黄門室家将軍家御妹也也」と結んでいる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の足羽御厨の言及

【足羽】より

…同山上の足羽神社は継体天皇をはじめ九神を合祀する。また足羽神明社は伊勢神宮の分社で,足羽御厨を領した。《神鳳抄》に〈内宮足羽御厨,上分絹七疋,口入二十疋,百八十丁〉とある。…

※「足羽御厨」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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