デジタル大辞泉
「踵」の意味・読み・例文・類語
しょう【踵】[漢字項目]
[音]ショウ(漢) [訓]かかと くびす きびす
かかと。「接踵・旋踵」
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
かかと【踵】
〘名〙 (「かがと」とも)
① 足の裏の後部。
踵骨(しょうこつ)と、それをおおう
厚い丈夫な
皮膚がある。くびす。きびす。
※書言字考節用集(1717)五「踵 カカト」
② (かかとのように厚いの意から) 面(つら)の皮が厚いこと。ずうずうしいこと。あつかましいこと。
※歌舞伎・四天王産湯玉川(1818)五立「
イヤ、余っ程皮の厚い飛んだ踵
(カカト)だ」
③ 履物の裏の後部。また、履物の後部。ヒール。
※今川大双紙(15C前)馬に付て式法之事「主人に乗り沓めさすべき事〈略〉其後右の手にては、沓のかかとをおさへべし」
[
語誌]カカトは
近世に入って東国系の語として
文献に登場する。関西ではキビス。
きびす【踵】
〘名〙
① かかと。くびす。きひひす。
※大智度論天安二年点(858)「足跟(キヒス)広く具足して満ち」
※虎明本狂言・
丼礑(室町末‐近世初)「かかる者はおとがいをきられ、にぐる者はきびすをきらるるものもあり」
② はきもので、かかとが当たる部分。
※宇治拾遺(1221頃)二「ひきとどめんとて、手をさしやりたりけるに、〈略〉片足すこしさがりたりけるきびすを、沓加へながらとらへたりければ」
[語誌]
上代のクヒビス(ないしクビヒス)がクビスやキヒヒスなどの形を経てキビスに変化した。中古以降クビスと並んで用いられるが、クビスが規範的な形、キビスが日常的な形であったらしい。→
くびひす
くびす【踵】
〘名〙 足の裏の後部の地につく部分。かかと。きびす。くびひす。
※
正倉院文書‐天平一二年(740)越前国江沼郡山背郷計帳「弟江沼臣族堅牛 年参拾陸
正丁 右足久比須疵」
※
曾我物語(南北朝頃)四「
御前の
舞人は雞婁
(けいろう)をうって舞行のくびすをそばたつ」
くびひす【踵】
※
書紀(720)仁徳六五年(前田本訓)「其れ膝
(ひさ)有りて膕踵(久比婢須)無し」
あくと【踵】
〘名〙 (「あぐと」とも) かかと。くびす。あくつ。
※
名語記(1275)八「馬の足のあくと如何、答あしくほとろあしくほたるの反歟」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
踵 (かかと)
heel
〈くびす〉〈きびす〉ともいう。足の裏の後部のことであるが,その境界ははっきりしてはいない。直立すると,体重はほとんどこの部分にかかる。内部には踵骨(しようこつ)があり,その表面は厚いじょうぶな皮膚でおおわれている。この皮膚は皮下脂肪層がとくに厚くて,緩衝用のクッションをなしている。表皮も全身のうちで最も厚い。
→足
執筆者:藤田 恒太郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
世界大百科事典(旧版)内の踵の言及
【足∥肢】より
…ときに大腿の下半前面をもひざという。 解剖学的意味での足は,かかとheel(踵(しよう)部),足背dorsum of the foot(足の甲),足底sole(足の裏),5本の指が区別される。また後述する足根骨ossa tarsiで支えられる部分を足根,中足骨で支えられる部分を中足という。…
【足∥肢】より
…ときに大腿の下半前面をもひざという。 解剖学的意味での足は,かかとheel(踵(しよう)部),足背dorsum of the foot(足の甲),足底sole(足の裏),5本の指が区別される。また後述する足根骨ossa tarsiで支えられる部分を足根,中足骨で支えられる部分を中足という。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」