(読み)ツクバイ

デジタル大辞泉 「蹲」の意味・読み・例文・類語

つくばい〔つくばひ〕【×蹲/蹲踞】

茶室庭先に低く据え付けた手水ちょうず鉢。

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精選版 日本国語大辞典 「蹲」の意味・読み・例文・類語

つくばいつくばひ【蹲・蹲踞】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「つくばう(蹲)」の連用形名詞化 )
  2. うずくまること。しゃがむこと。
  3. おとし入れようとしてうずくまって、ひそかに機会をねらうこと。→因果のつくばい
  4. 茶室の入り口などに低く据えた手水鉢(ちょうずばち)。手を洗うのにつくばうところから。
    1. 蹲<b>③</b>〈石組園生八重垣伝〉
      〈石組園生八重垣伝〉
    2. [初出の実例]「上客が先に立ちまして築盃(ツクバイ)に向ひ嗽(うが)ひちゃうづを使ひまして」(出典落語・素人茶道(1893)〈三代目春風亭柳枝〉)
  5. 奉行所白州縁先にあたる部分。
    1. [初出の実例]「正面には大岡越前守様御着座に成り、公用人目安方、突這(ツクバイ)同心が相並んで居ります」(出典:落語・大工訴訟(1891)〈禽語楼小さん〉)

つくばえつくばへ【蹲】

  1. 〘 名詞 〙つくばい(蹲)
    1. [初出の実例]「先生はさう云って起って、縁にしゃがみ、鉢の梅につくばへの水をかけてゐた」(出典:竹沢先生と云ふ人(1924‐25)〈長与善郎〉竹沢先生の花見)

うずくまる【蹲】

  1. 〘 名詞 〙 陶製花生けの一種古信楽(こしがらき)古伊賀などにあり、高さ一〇~二〇センチメートル、底が広く、人がうずくまっている姿に見立てた呼称。室町以前に農家茶壺油壺などに用いた。茶人が珍重してから知られるようになった。

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家とインテリアの用語がわかる辞典 「蹲」の解説

つくばい【蹲/蹲踞】

茶室に付属する庭(=露地)に低く据え付けた手水鉢(ちょうずばち)。客が手と口を清めるために使用する。寒中に湯の入った桶を置く湯桶(ゆとう)石、夜に明かりを置く手燭(てしょく)石を左右に、手水を使う時に乗る前石を手前に配置する。◇「うずくまる」という意。使用する際にうずくまるような姿勢になることから。

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世界大百科事典(旧版)内のの言及

【坪】より

…尺貫法における面積の単位。歩(ぶ)ともいい,1891年制定の度量衡法では,6尺四方,すなわち36平方尺に等しく,約3.306m2である。分量単位は1/10坪の合(ごう),1/10合の勺(しやく)である。通常,歩が田畑林野の面積を表すのに用いられ,坪は家屋や敷地の広さの表示に使われ,倍量単位は歩のそれと同じであるが,あまり用いない。なお,職域によって大きさを異にし,例えば錦は1寸四方を,革は1尺四方を,墓地は4尺四方を坪と称した。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」