軌道角運動量(読み)キドウカクウンドウリョウ

化学辞典 第2版 「軌道角運動量」の解説

軌道角運動量
キドウカクウンドウリョウ
orbital angular momentum

古典力学では,粒子がある力の中心点のまわりを運動するとき,その点に関する角運動量ベクトルは時間に関係なく一定である.量子力学では,この系はある限られた固有状態のみをとり,その波動関数の数学的性質はいくつかの量子数で規定される.上記の角運動量L定数ℏ(ℏ = h/2π,hプランク定数)を単位としてlℏで表す量子数lもその一つである.これを軌道角運動量という.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の軌道角運動量の言及

【核スピン】より

…原子核がもつ全角運動量。原子核を構成している陽子と中性子(核子と総称する)は,それぞれ自転による角運動量(スピン)1/2ħ(ħ=h/2π,hはプランク定数)をもつが,核子は原子核内で回転しているので,さらに軌道運動による角運動量(軌道角運動量)をもち,このため核スピンは全核子のスピンと軌道角運動量の合計となる。陽子数も中性子も偶数である核(偶々核)の基底状態の核スピンは必ず0,偶々核の励起状態や陽子,中性子とも奇数の奇々核の核スピンは0またはħの正の整数倍,陽子と中性子の合計が奇数となる奇偶または偶奇核の核スピンはħの正の半整数倍である。…

※「軌道角運動量」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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