返刀(読み)かえしがたな

精選版 日本国語大辞典 「返刀」の意味・読み・例文・類語

かえし‐がたな かへし‥【返刀】

〘名〙
一方へ切りつけた刀をすぐひるがえして他の方を切ること。かえす刀。
② 刀などを前に出すようにして物を切ったあと、手もとへもどすときにまた切ること。
浮世草子・男色十寸鏡(1687)上「かへし刀(ガタナ)とて跡えひきもどすは不吉也」
③ 竹や木のはしをななめに切り、その切り口を反対側から少し切って、切り口を整えること。
徒然草(1331頃)六六「枝の長さ七尺、或は六尺、返し刀五分に切る」

かえす【返】=刀(かたな)[=太刀(たち)

切りつけた刀をもとにかえしながら、さらに他方に切りかけること。また、攻撃余勢をかって、ほかにも攻撃の矛先を向けること。かえしがたな。
太平記(14C後)二「返す太刀に喉ぶえ指切て」
多情多恨(1896)〈尾崎紅葉〉後「私の親父を刺殺して、返す刀で君も死ぬかい」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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