とぎれなくつながっていること。「連続」の概念は、「無限」の概念と結び付いて、古代ギリシアの時代からさまざまな困惑の種であった。通約不可能量(今日でいう「無理数」)をどのように理解すべきかという問題、および「ゼノンの逆説」がギリシアにおける連続をめぐる代表的な問題であった。アリストテレスは、無限を現実的なものではなく潜在的なものとみなすことによって、このような問題を解決しようとした。ニュートンとライプニッツによる微積分法の発見は、連続に対する理解を飛躍的に増大させたが、それにはまだ概念的な、あるいは形而上(けいじじょう)学的な疑惑がまつわり付いていた。1870年代にカントルが創始した集合論の登場、およびそれと並行する論理学の発展によって、そのような概念的な疑惑に対する新たな視点からの解明が可能となった。その成果が、カントルとデーデキントの連続理論である。
[丹治信春]
一般に変数x、yについて、yがxの関数であるとき、xがある値に近づけば、yの値も対応するある値に近づくというのが、連続性の概念的な含みである。これを数学的な取扱いが可能なように次の形で述べる。この述べ方をε‐δ方式(エプシロン‐デルタ方式)という。
y=f(x)であるとき、これがその定義域の点aにおいて連続であるというのは、「どのような正の数εに対しても、ある正の数δがあって、xが|x-a|<δを満たすならば、つねに|f(x)-f(a)|<εとなる」ことである。
定義域のどの点においても連続な関数を連続関数という。通常用いられる関数は連続関数であり、それについては次の定理がある。「微分可能な関数は連続関数である」「連続関数は、有限区間の上ではつねにリーマン積分可能である」
連続関数の主要な性質は次のようであり、いずれも実数の連続性がその基礎となっている。「有限閉区間の上で連続な関数は有界で、かつ最大値および最小値がある」「連続関数は、ある区間の2点でとる値に対し、その区間内で、その二つの値の間の任意の値をとる」。
連続性の考察は解析学の中心課題であるが、さらにそれは図形の考察にも発展した。そのために、一般の位相空間で連続性の議論が展開される。そして、連続写像に対して不変な図形の性質を位相的性質といい、そのような性質の研究から位相幾何学が生まれた。
[竹之内脩]
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… 数理哲学の課題については,古来二つの中心問題がある。一つは無限の問題であり,他は連続のそれである。無限論は無限を合理的に把握することを目ざし,無限の本性について,可能的無限と現実的無限の二つの見解に分かれる。…
※「連続」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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