連邦軍大学(読み)れんぽうぐんだいがく

大学事典 「連邦軍大学」の解説

連邦軍大学[ドイツ]
れんぽうぐんだいがく

若手士官や士官候補生のアカデミック養成を目的に,時の連邦防衛大臣ヘルムート・シュミット,H.の労により1972年にハンブルクに,73年にミュンヘンに創設された二つの連邦立の大学を指す。前者は「ヘルムート・シュミット大学/連邦軍大学(ドイツ)」,後者は「ミュンヘン連邦軍大学(ドイツ)」を正式名称とする。ハンブルクの大学が約2500人の学生を対象に電気工学,機械建設,精神科学,経済学の4学部において総合大学のプログラムを提供している一方,ミュンヘンの大学は約3000人の学生を対象に土木・測量学,電気工学,宇宙航空学,人間科学など7学部において総合大学の学修課程と,経営学部,機械建設学など3学部において専門大学の学修課程を提供している。

 両大学とも,学修に入る前に15ヵ月間の士官向けの一般軍事訓練を終えていること,大学入学資格であるアビトゥーア(ドイツ)(専門大学の学修課程の場合は,専門大学アビトゥーア(ドイツ))を取得していることが入学要件となる。入学を認められた学生は,無償で学修プログラムを提供されるほか,連邦俸給法(ドイツ)に則って月額約1500ユーロの給与を支払われるが,学修開始から13年間は連邦軍から進路について拘束を受ける。一般の大学が2学期制を採用し,年間の取得単位を60単位としているのに対し,両大学は3学期制を敷き,年間75単位まで取得可能としている。そのため,学士課程を経て修士課程まで4年で修了することができる。
著者: 髙谷亜由子

出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報

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