道に遺ちたるを拾わず(読み)みちにおちたるをひろわず

故事成語を知る辞典 「道に遺ちたるを拾わず」の解説

道に遺ちたるを拾わず

人々の道徳意識が高く、悪事をはたらこうとする者がいないことのたとえ。

[使用例] 日本の人はあたかも盗賊と雑居するがごとし、これをかの西洋諸国自由正直の風俗に比すれば万々同日の論にあらず、まこと聖教の行なわるる国土こそ道にを拾わずと言うべけれ[福沢諭吉学問のすすめ|1872~76]

[由来] 中国で古くから使われている言い回しから。たとえば、「韓非子ないちょぜい・下」には、孔子の国で政治を任されたところ、「道に遺ちたるを拾わず(道に落ちている物があっても、それを拾って自分のものとしようとする者はいなくなった)」とあります。なお、この故事成語は、厳しい刑罰を恐れるあまりに、だれも悪事をはたらかない場合に使われることもあります。

出典 故事成語を知る辞典故事成語を知る辞典について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android