遣る方無い(読み)ヤルカタナイ

デジタル大辞泉 「遣る方無い」の意味・読み・例文・類語

やるかた‐な・い【遣る方無い】

[形][文]やるかたな・し[ク]
心のわだかまりを晴らす方法がない。「憤懣ふんまん―・い」「―・い思い」
きわめて程度がはなはだしい。なみひととおりでない。
「女―・く名残を惜しむあはれさに」〈咄・醒睡笑・六〉

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精選版 日本国語大辞典 「遣る方無い」の意味・読み・例文・類語

やるかた‐な・い【遣方無】

  1. 〘 形容詞口語形活用 〙
    [ 文語形 ]やるかたな・し 〘 形容詞ク活用 〙
  2. 心にわだかまっていることのやり場がない。思いを晴らす方法もない。やるせない。やらんかたなし。
    1. [初出の実例]「今は聞こえさせじと思ひ給ふれど〈略〉やるかたなければなん」(出典:宇津保物語(970‐999頃)菊の宴)
  3. なみひと通りでない。程度がどうしようもないほど異常である。
    1. [初出の実例]「直に心絶して、やるかたなき工夫をして、間断なくんは」(出典:塩山仮名法語(1387頃)二)
  4. 伝えてゆく方法もない。
    1. [初出の実例]「嫡孫は未だ幼少也。やるかたなき二跡の芸道、あまりにあまりに老心のまうしふ、一大事のさはりともなる斗也」(出典:却来華(1433))

遣る方無いの派生語

やるかたな‐げ
  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙

遣る方無いの派生語

やるかたな‐さ
  1. 〘 名詞 〙

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