鄭声(読み)テイセイ

デジタル大辞泉 「鄭声」の意味・読み・例文・類語

てい‐せい【×鄭声】

中国春秋時代の、の国の歌謡がみだらであったところから》みだらな俗曲野卑音楽
「今日流行のラジオ歌謡などの―とも」〈佐藤春夫晶子曼陀羅

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「鄭声」の意味・読み・例文・類語

てい‐せい【鄭声】

〘名〙 (中国の春秋時代、鄭国の音楽が淫猥(いんわい)であったところから) 野卑でみだらな俗曲。淫声
太平記(14C後)一三「鄭声(テイセイ)雅を乱る故に一唱三歎の曲に非ず」 〔論語‐陽貨〕

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世界大百科事典(旧版)内の鄭声の言及

【雅楽】より

…朝鮮,ベトナムには中国から狭義の雅楽も伝わったが,日本に伝来した雅楽は唐朝の宮廷俗楽であって,使用する楽器も異なり,儒教に基づく古制の雅楽ではない。
【中国の雅楽】
 雅楽の起源は太古の祭祀と結びついた歌舞にあるが,雅楽という観念は,春秋時代(前8~前5世紀)に孔子が雅声(雅正の楽)と鄭声(娯楽的で人の耳をよろこばす鄭国や衛国の楽)を区別し,儒教の礼楽として雅声を尊重したことに始まる。戦国時代(前5~前3世紀)には祖先をまつる廟祭楽,天地山川の神をまつる郊祀楽,儀礼宴饗の宴饗楽があり,文武の舞が行われた。…

※「鄭声」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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