鈴木義司(読み)すずきよしじ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「鈴木義司」の意味・わかりやすい解説

鈴木義司
すずきよしじ

[生]1928.9.26. 東京,東京
[没]2004.7.17. 東京,港
まんが家。1948年都立理工専門学校を卒業後,結核療養中に欧米のしゃれたひとコマまんがに触発され,まんが家を志す。雑誌に投稿を開始,1953年夕刊『フクニチ』に初連載。代表作は 1966年6月から 2004年7月まで『読売新聞』に 38年間連載した『サンワリ君』で,平凡なサラリーマンの低い視線から人々の日常をとらえた。また『義司の週刊絵日記』(週刊『漫画TIMES』),『今週の義司』(『週刊文春』),『キザッペの行動の美学』(週刊『漫画サンデー』)などの週刊誌連載では,時事風刺と世相を軽やかに描いた。サンワリ君と対照的に女にもてるキザッペという人物の造形は秀逸で,皮肉にも軽さと潔さがあり,そこに作者のまんが家としての「美学」を感じさせた。調理師免許をもち,食べ物に関する達意エッセーも著している。漫画集団代表を務め,1969年第15回文藝春秋漫画賞,1996年紫綬褒章,2002年日本漫画家協会賞大賞,2003年勲四等旭日小綬章を受けた。(→まんが

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「鈴木義司」の解説

鈴木義司 すずき-よしじ

1928-2004 昭和後期-平成時代の漫画家。
昭和3年9月26日生まれ。結核療養中,漫画家をこころざす。雑誌への投稿で頭角をあらわし,28年から「夕刊フクニチ」に連載をはじめる。41年から「読売新聞」に「サンワリ君」を連載し,1万1240回をかぞえた。平成14年日本漫画家協会賞大賞。「漫画集団」代表もつとめた。平成16年7月17日死去。75歳。東京出身。東京都立理工専門学校(現都立大)卒。他の作品に「キザッペ」「義司の週間絵日記」「ペエペエのペエスケ」など。エッセー集に「縮緬雑魚(ちりめんじゃこ)の散歩」。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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