(読み)マガリ

デジタル大辞泉 「鋺」の意味・読み・例文・類語

まがり【×鋺】

水や食物を入れる器。椀や柄杓ひしゃくの類。
主殿司とのもづかさ土器かはらけを奉りければ、―を参らせよとて」〈徒然・一〇〇〉

まり【×鋺/×椀】

昔、水や酒などを盛った円い形の器。もい。
「面を隠す大―に、そのすすむる酒を盛りき」〈・下〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「鋺」の意味・読み・例文・類語

まり【鋺・椀】

  1. 〘 名詞 〙 古く、水・酒などを盛った器。もい。
    1. [初出の実例]「大中姫(ひめ)の捧(ささ)げたる鋺(マリ)の水、溢(あふ)れて腕(たふさ)に凝(こ)れり」(出典日本書紀(720)允恭元年一二月(図書寮本訓))

まがり【鋺】

  1. 〘 名詞 〙 酒や水などを飲むのに用いる器。碗や柄杓(ひしゃく)の類。
    1. [初出の実例]「おまへにしろがねのまがりなどとりいでて〈略〉くさびらども熱い物にさせ」(出典:宇津保物語(970‐999頃)国譲下)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のの言及

【打鳴】より

…響銅製で小さな鉢の形をしており,下に座布団を敷き,細い金属製の棒,または木製の細棒で縁を打って音を出す。鏧,鏧子(けいす),小鏧(しようきん),鋺(金椀)(かなまり),鈴(りん)などともいう。また打鳴は寺院で用いる大型のものを指す場合もある。…

※「鋺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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