長期記憶(読み)チョウキキオク

デジタル大辞泉 「長期記憶」の意味・読み・例文・類語

ちょうき‐きおく〔チヤウキ‐〕【長期記憶】

記銘後、年単位にわたって長期間保持される記憶。生きている間ずっと保持されるものもある。個人的経験に基づくエピソード記憶言葉意味知識などの意味記憶自転車の乗り方や楽器の弾き方など動作として身に付けた手続き記憶に分類される。LTM(long term memory)。→短期記憶

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「長期記憶」の意味・わかりやすい解説

長期記憶
ちょうききおく
long-term memory

短期記憶に対する用語で,記憶材料の提示後,比較的長い期間保持されている記憶。保持内容がなんらかの処理,たとえば復唱符号化,既有の知識のネットワークへの摂取などの処理を経ることによって長期間保持される。ここでの忘却は,記憶痕跡の自動的消滅よりもむしろ他の記憶材料の干渉による。

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世界大百科事典(旧版)内の長期記憶の言及

【エキスパートシステム】より

…プロダクションシステムの概念は,人間の記憶に関する認知的な考察に基づいて提案された。このモデルによると,人間の記憶には,問題解決に関する情報を保持する長期記憶(プロダクションメモリー)と,外界から得られた情報を一時的に保持する短期記憶(ワーキングメモリー,作業記憶)がある。そして,短期記憶で認知された情報が長期記憶中の知識と照合されて行動につながり,この繰り返しで問題解決が進行する。…

【記憶】より

…この記憶機能がそこなわれる記憶障害のおもな原因は意識障害と知能障害および各種の精神病である。記銘力はできごとを短時間後に再生できること(短期記憶short term memory)により,保持は長時間後の想起(長期記憶long term memory)により間接的に知りうる。実際には記銘,保持,想起が組み合わされて障害されることが多いが,ここでは便宜的に各機能に区分して略述する。…

※「長期記憶」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」