長橋(読み)ナガハシ

デジタル大辞泉 「長橋」の意味・読み・例文・類語

なが‐はし【長橋】

長い橋。
宮中清涼殿から紫宸殿ししんでんに通じる廊下

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「長橋」の意味・読み・例文・類語

なが‐はし【長橋】

〘名〙
① 長い橋。
※新古今(1205)雑中・一六五六「まきのいたも苔むすばかり成にけりいくよへぬらんせたのながはし大江匡房〉」
② 宮中の清涼殿の東南隅から紫宸殿の御後(ごご)に通じる細長い板の橋。
※小右記‐天元五年(982)三月一四日「不宣命、仍居長橋
③ 五節(ごせち)の時、清涼殿の東北隅から承香殿にわたす仮の橋。丑(うし)の日の帳台の試みに天皇が常寧殿に出御する時や、寅(とら)の日の御前の試みや卯(う)の日の童女御覧に舞姫や童女が清涼殿に上る時に用いる。
讚岐典侍(1108頃)下「承香殿のきざはしより清涼殿のうしとらのすみなるなかはし、とのつままでわたすさまむかしながら也」
御湯殿上日記‐大永七年(1527)九月七日「なかはし久しきもうきにて、昨日こときれたるよしきこしめす」

ちょう‐きょう チャウケウ【長橋】

〘名〙 長い橋。
※本朝麗藻(1010か)上・暮春侍宴左丞相東三条第同賦度水落花舞〈紀為基〉「両岸台遙移節裏。長橋路遠応歌程」 〔何遜‐夕望江橋詩〕

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世界大百科事典(旧版)内の長橋の言及

【長橋局】より

…宮中に仕えた女官で,勾当内侍(こうとうのないし)の別称。清涼殿の東南隅から紫宸殿の御後(ごご)に通ずる細長い板の橋を長橋といい,そのそばに勾当内侍の局(つぼね)があったことからこの称が生まれた。後宮十二司の一つ,内侍司(ないしのつかさ)の女官のうちで,奏請(そうせい),伝宣(てんせん)あるいは陪膳(ばいぜん)のことに当たった尚侍(かみ)や典侍(すけ)は,その立場上キサキとなることが多く,三等官の掌侍(じよう)(定員4人)が事実上当司を代表する女官となった。…

※「長橋」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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