門違（読み）かどちがい

精選版 日本国語大辞典

かど‐ちがい ‥ちがひ【門違】

〘名〙

① 訪ねる家をまちがえること。おかどちがい。かどたがい。かどたがえ。〔日葡辞書（1603‐04）〕

※人情本・英対暖語（1838）二「今時分此方へ女の来(くる)といふ心あたりは、さっぱりねへことだ。門違ひだらう」

② めざす方向や相手、また、物事の判断をまちがえること。見当違い。おかどちがい。

※政談（1727頃）四「内郭・外郭も必竟郭門也。〈略〉然に私の下坐は門違也」

※艷魔伝（1891）〈幸田露伴〉「御礼は門違(カドチガ)ひだろう。アラ此間あなたに頂いたんぢゃありませんか」

かど‐ちがえ ‥ちがへ【門違】

〘名〙 ＝かどちがい（門違）

※俳諧・いつを昔（1690）十題百句「夕立やはなれて牛の門ちがへ〈李下〉」

※滑稽本・東海道中膝栗毛（1802‐09）二「さてはかどちがへせしと、にげだすひゃうしに」

かど‐たがい ‥たがひ【門違】

〘名〙 ＝かどちがい（門違）

※叢書本謡曲・檀風（1465頃）「某は総じて子を持たぬ者にて候。定めて門(カド)たがひにて候べし」

かど‐たがえ ‥たがへ【門違】

〘名〙 ＝かどちがい（門違）

※高野本平家（１３Ｃ前）六「門をほそめにあけ、いたいけしたる小女房、顔ばかりさしだいて、門たかへでぞ候らん」

出典　精選版 日本国語大辞典