デジタル大辞泉
「間合」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
ま‐に‐あ・う ‥あふ【間合】
〘自ワ五(ハ四)〙
※虎寛本狂言・真奪(室町末‐近世初)「ハテ、今から縄をなふて間に合ふ物か」
② 足りる。十分である。
③ 時間に遅れずにすむ。時間までに着く。
※幼学読本(1887)〈西邨貞〉七「彼の人は最早間に合はざる可し。あれ、
汽車は出掛けたり」
[
補注]「…で間に合う」「…に間に合う」などの
用法によって完全に一語化したと考えられるが、現在でも「急場の間に合う」のように「間」に
連体修飾語が付く場合は、
連語の意識で使われる。
ま‐に‐あい ‥あひ【間合】
〘名〙
① 代わりのものを使って
当座の役に立てること。急場の用にあてること。一時しのぎ。また、そのもの。まにあわせ。
※洒落本・寸南破良意(1775)跋「
一時勝負の息貫間
(マ)にあいもおかしきもの歟」
② 出まかせのごまかし。その場のがれのでたらめ。
※歌舞伎・今源氏六十帖(1695)一「『
八百屋の
作兵衛から参りました』ト様々に間に合を云ひ」
※
上杉家文書‐永祿一二年(1569)四月二六日・小島職鎮書状「まにあひ百枚令
二進献
一候」
ま‐に‐あわ・せる ‥あはせる【間合】
〘連語〙 まにあは・す 〘連語〙
①
一定の
時期までに
物事をする。一定の
時日に間に合うように事を運ぶ。遅れさせないようにする。
※
俳諧・炭俵(1694)上「
名月のまに合せ度芋畑〈
芭蕉〉 すたすたいふて荷ふ落鮎〈孤屋〉」
② 代わりのものを使って、その場の役に立てる。一時しのぎをする。
※浮世草子・西鶴織留(1694)三「近所の祝言ぶるまひの間(マ)にあはすれば済事なり」
[補注]「間」が連体修飾語をとらず、「…で間に合わせる」「…に間に合わせる」などの形をとる場合は、一語の動詞のようになる。
ま‐あい ‥あひ【間合】
〘名〙
① 時間の程よい間隔。適当な時機。ころあい。ひま。
※史記抄(1477)一一「あれともよく人の機嫌まあいを見てはたらくぞ」
② 舞踊・音曲などで、調子の変化する間のわずかの時間。
※評判記・野良立役舞台大鏡(1687)坂田藤十郎「間(マ)合上手なれはおのづから狂言がいきて」
③ 隔たり。距離。多く、剣道などでいう。
※剣法略記(1839)三「離れたると合ひたると、合うて離るるきわと、進退の間合と」
ま‐に‐あわ・す ‥あはす【間合】
[2] 〘他サ五(四)〙
① 一定の時期までに物事をする。一定の時日に間に合うように事を運ぶ。
※湯葉(1960)〈芝木好子〉「仕込みに間にあわすためにふだんせっせと結んだ」
② 代わりのものを使って、その場の役に立てる。一時しのぎをする。
※浮世草子・好色破邪顕正(1687)上「嘘としりながらも、間に合してとりはやす侫人をば、透者(すいじゃ)上手者とほめそやしぬるより」
ま‐に‐あわせ ‥あはせ【間合】
〘名〙 代わりのものを使って当座の役に立てること。急場の用にあてること。一時しのぎをすること。また、そのもの。まにあい。
※俳諧・新続犬筑波集(1660)一四「更衣述懐 たれにさてかりてかけふのまにあはせ〈空存法師〉」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報