雨畑硯（読み）あまばたすずり

精選版 日本国語大辞典

あまばた‐すずり【雨畑硯】

〘名〙 雨畑石で作った硯。あまばた。

※随筆・守貞漫稿（1837‐53）一六「雨畑硯 雨畑は甲の山名」

出典　精選版 日本国語大辞典

デジタル大辞泉プラス

雨畑硯

山梨県南巨摩郡富士川町で生産される良質な硯。“雨畑”は「あまはた」と読み、“雨端”の表記もある。元禄年間、初代雨宮孫右衛門が身延山参詣に向かう途中、富士川支流・早川のさらに支流にあたる雨畑川で黒い石を拾い、硯に加工したのが起源と伝わる。4代目の雨宮要蔵が将軍家に献上し、全国的に有名になった。「甲州雨畑硯」の名称で、県の伝統工芸品に指定されている。

出典　小学館

世界大百科事典（旧版）内の雨畑硯の言及

【早川[町]】より

…戦国時代には穴山氏領で，金山が開発され江戸時代に入っても採掘は続いた。雨畑硯（すずり）の産地で，旧村名硯島にその名を残す。豊富な森林資源と水資源の開発のために，林道やダムが整備され，奈良田湖，雨畑湖がつくられた。…

※「雨畑硯」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典｜株式会社平凡社「世界大百科事典（旧版）」