鞠・毬(読み)まり

精選版 日本国語大辞典 「鞠・毬」の意味・読み・例文・類語

まり【鞠・毬】

[1] 〘名〙
遊戯に用いる球。古くは、綿を芯(しん)とし、糸でかがった。現代では、革や、ゴムでつくり、中に空気を入れて球状にしたものなど、種々ある。
書紀(720)皇極三年正月(岩崎本訓)「中大兄の法興寺の槻の樹(き)の下(もと)に毱(マリ)(く)うる侶(ともから)に預(くは)りて」
蹴鞠のこと。また、まりつきのこと。
※宇津保(970‐999頃)国譲中「興あるまでまりあそばす」
滑稽本浮世風呂(1809‐13)三「毬(マリ)と羽根ではどっちがよいヱ」
③ 紋所の名。①をかたどった図柄のもの。絹鞠、蹴鞠などがある。
[2] 謡曲。左近之尉が、都で死んだ主君形見の鞠と文とを持って薩摩に帰ると、主君の妻は悲しみのあまり心が乱れて、その鞠とともに狂ったように舞をまう。廃曲。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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