頭成町(読み)かしらなりまち

日本歴史地名大系 「頭成町」の解説

頭成町
かしらなりまち

[現在地名]日出町豊岡

別府湾の西岸が北へ延び、北岸へと東に曲折する地点のさん河口に位置する。江戸時代を通じ森藩領で、頭成湊を擁する町場として同藩の町奉行の支配下にあった。正保郷帳に「辻間村之内頭成町」(高七五石余)、元禄郷帳に「辻間村之枝郷頭成町」(高八六石余)とみえる。湊は河口にあって湊の東には唐人とうじん(化舟島)陸繋島があり、南には御蔵所の鼻おくらしよのはなが突出している。湊はほぼ中央に迫っている小山東端にあるさかい地蔵から南は幕府領小浦こうら村の湊で、北が森藩領の頭成湊であった。当地はまた豊前道(鹿鳴越)が通るほか、日出城下を経て杵築方面へ向かう道や藩庁のあるもり(現玖珠町)への道の結節点で、宿場町の機能も兼ね備えていた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報