食品保存(読み)しょくひんほぞん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「食品保存」の意味・わかりやすい解説

食品保存
しょくひんほぞん

食品の品質が化学的作用,物理的作用,微生物の発育汚染などで変化しないよう保持すること。悪変すれば栄養をそこない,中毒の原因ともなる。このうち化学的作用は,食品自体に含まれる酵素あるいは物質相互間の作用によるもので,この場合肉類などは,ある程度自己消化したもののほうが味がよくなるが,その程度が進むと腐敗する。また魚類のような高度の不飽和脂肪酸を多く含むものは空気中の酸素による油脂酸化変質と不快臭を生じ油焼けする。物理的作用は,温度,光線,水分の蒸発などの作用で,有害微生物の発育を促進させ,腐敗が進む。したがって食品保存としては殺菌静菌 (菌の繁殖を防ぐ) と微生物の再汚染防止が肝要である。貯蔵法には,(1) 防腐剤の添加,(2) 一般化学物質 (砂糖,塩,酢,辛味成分) の添加,(3) 低温処理,(4) 高温処理,(5) 発酵,(6) 乾燥,(7) 放射線照射などがある。

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