飽なくに(読み)あかなくに

精選版 日本国語大辞典 「飽なくに」の意味・読み・例文・類語

あか【飽】 なく に

(「なく」は打消の助動詞「ず」のク語法。「に」は感動を表わす古い助詞)
① (「に」が感動の意を表わしている場合) あきたりないことだなあ。満足しないのだからなあ。
万葉(8C後)七・一二二一「わが舟の楫(かぢ)はな引きそ大和より恋ひ来(こ)し心いまだ飽九二(あかなクニ)
② (接続の上から「なくに」に逆接の意が生じ、それが強く現われている場合) あきたりない状態なのに。満足しないのに。まだ残り惜しいのに。
伊勢物語(10C前)八二「あかなくにまだきも月のかくるるか山の端(は)にげて入れずもあらなん」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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