餌刺・餌差・餌指(読み)えさし

精選版 日本国語大辞典 「餌刺・餌差・餌指」の意味・読み・例文・類語

え‐さし ゑ‥【餌刺・餌差・餌指】

〘名〙
① 鷹のえさにする小鳥黐竿(もちざお)で刺して捕えること。また、それを業とする人。
※虎明本狂言・餌差(室町末‐近世初)「私はしゃばにかくれもなひせいらいと申鷹じゃうの内に有し、ゑさしで御ざる」
江戸幕府の職名。鷹匠配下にあり、鷹のえさとする小鳥を捕えることを任とする者。〔禁令考‐前集・第二・巻一七・寛文七年(1667)九月二七日〕
③ 小鳥を黐竿(もちざお)で刺し捕えること。また、それを業とする人。鳥刺し。
※仮名草子・尤双紙(1632)下「さす物のしなじな〈略〉ゑさしは小鳥をさす」
④ えさ。
遠方の人(1941)〈森山啓〉三「あの男は、人浚ひぢゃないのか、絵を餌差に、おれも、お夏もおびきよせようとした」
⑤ (餌差) 鳥かごに置く、餌を差しておく入れもの。
※日々の収拾(1970)〈坂上弘〉「鳥籠とか、はこべを入れる餌差しとかが」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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