駆引き(読み)カケヒキ

デジタル大辞泉 「駆引き」の意味・読み・例文・類語

かけ‐ひき【駆(け)引き/懸(け)引き】

[名](スル)戦場で、進むことを「かけ」、退くことを「ひき」というところから》
商売交渉会議などで、相手出方状況に応じて自分に有利になるように処置すること。「―がうまい」
戦場で、時機を見計らって兵を進めたり退いたりすること。
[類語]交渉談判渉外外交掛け合う折衝直談判直談膝詰め談判談じ込むねじ込む取引

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「駆引き」の意味・読み・例文・類語

かけ‐ひき【駆引・掛引・懸引】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 馬を操って前進したり後退したりすること。転じて、戦場で、機に応じて、攻めたり退いたりすること。かけひけ。
    1. [初出の実例]「久我縄手は路細く深田なれば、馬の懸引(カケヒキ)も自在なるまじ」(出典太平記(14C後)八)
    2. 「進退懸引(カケヒキ)の道、其理を得ざるといふことなし」(出典:読本・昔話稲妻表紙(1806)一)
  3. 商売、交渉などで、相手の出方や事情に応じて、自分に有利になるように処置すること。臨機応変の処置。策略
    1. [初出の実例]「先日両使従日州指上申候刻、御懸引共被成候」(出典:上井覚兼日記‐天正一四年(1586)七月一四日)
    2. 「彼には彼相当の懸引(カケヒキ)があるので」(出典:明暗(1916)〈夏目漱石〉一四七)
  4. 温度などを調節すること。
    1. [初出の実例]「屋内の園圃は、冷熱の乗除(カケヒキ)自在にて」(出典:米欧回覧実記(1877)〈久米邦武〉一)
  5. かけひきかまち(掛引框)

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