鴨江寺(読み)かもえじ

日本歴史地名大系 「鴨江寺」の解説

鴨江寺
かもえじ

[現在地名]浜松市鴨江四丁目

甲江山と号し、高野山真言宗本尊聖観音。大宝二年(七〇二)行基が開いたと伝える。初め法相宗、のち天台宗、さらに真言宗に改宗したという(遠江国風土記伝)。元弘三年(一三三三)七月一五日の後醍醐天皇綸旨(鴨江寺文書、以下鴨江寺文書は集合文書名を省略)に遠江国鴨江寺とみえ、鴨江寺衆徒中が寺用の当知行地を安堵されている。暦応四年(一三四一)九月二一日、浜松庄鴨江寺衆徒に対し五ヵ条ならびに報恩ほうおん寺以下寺中坊などの寺規が下された(某袖判書下)。ただしこの二つの文書は検討の余地があるともされる。文和三年(一三五四)二月には遠江守護仁木義長が寺領を安堵している(同月二五日仁木義長書下)。貞治五年(一三六六)四月八日には吉良満貞が寺規を定めており(吉良満貞書下)、その後至徳二年(一三八五)一一月一六日・応永二二年(一四一五)八月七日にも同内容の寺規が定められた(某置文)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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