鷺野新田(読み)さぎのしんでん

日本歴史地名大系 「鷺野新田」の解説

鷺野新田
さぎのしんでん

[現在地名]両津市加茂歌代

加茂かも村の後方台地上に開かれた新田。寛文六年(一六六六)の鷺野新田古実印判書写(菊池文右衛門家蔵)に「鷺野新田当三十年以前くわ立江道普請大分ニ仕候ヘ共成立不申」とあり、寛永一四年(一六三七)向高野むかいごうやの文右衛門らによって梅津うめづ川の取水を企画したが、このときは失敗している。その後、同史料には「拾五年以前卯ノ年、其方衆ノ才覚ニ仕立被成候儀過分ニ存候事」とあり、文右衛門と加茂村民右衛門らの主唱で工事が進められ、梅津川の水を入道坂にゆうどうざか水沢みんぞう五三六間、水沢江口まで七〇三間の江道で引水することに成功した。寛文五年の鷺野新田改帳(同家蔵)では年貢米一六石余を公納している。同六年の鷺野新田総百姓中差出状(同家蔵)によると、総百姓は加茂・歌代うたしろ両村合計一三九人、梅津村五二人で構成される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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