IEA(読み)アイイーエー

デジタル大辞泉 「IEA」の意味・読み・例文・類語

アイ‐イー‐エー【IEA】[International Energy Agency]

International Energy Agency国際エネルギー機関石油を中心とするエネルギー安全保障を目的とするOECD(経済協力開発機構)の下部機関。石油消費国側の機構で、OPEC石油輸出国機構)に対抗する目的のもの。第一次石油危機後の1974年、キッシンジャー米国務長官の提唱で設立。事務局はパリ。2023年現在、31か国が加盟。
[補説]一定の条件(前年1日当たり石油純輸入量90日分の備蓄確保など)を満たすOECD加盟国が参加できる。OECD加盟38か国中、アイスランドスロベニアは不参加、チリ・コロンビアコスタリカイスラエルラトビアが加盟申請中。他に、アルゼンチン・ブラジル・中国などOECD非加盟の13か国が協力国として参加している。

アイ‐イー‐エー【IEA】[International Economic Association]

International Economic Association》国際経済学協会。1950年創立。事務局はパリ。

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改訂新版 世界大百科事典 「IEA」の意味・わかりやすい解説

IEA (アイイーエー)

国際エネルギー機関International Energy Agencyの略称。OECD(経済協力開発機構)に属する機関として,1974年11月設立。本部所在地はパリ。アイスランド,メキシコポーランドスロバキアを除くOECD加盟26ヵ国とヨーロッパ連合ヨーロッパ委員会が参加している。最高意思決定機関は,加盟国政府の幹部(局長級)によって構成される理事会Governing Board(GB)で,GBの下に長期協力,石油市場,緊急時融通,産油国関係,研究開発の各常設委員会が設けられている。

 石油危機後の74年2月,先進石油消費国13ヵ国はワシントンでエネルギー会議を開いたのに続いて,フランスを除く12ヵ国がエネルギー調整グループ(ECG)を設置,同年11月の会合で国際エネルギー計画(IEP)を決定した。IEAの活動はこの計画に基礎を置いており,その主要なものは〈緊急時融通システム〉と〈長期協力プログラム〉である。緊急時融通システムは,加盟国の1ないし全体の石油輸入量が対前年比で7%以上の削減を受けた場合,GBの決定により発動されるもので,需要制限等一定の条件のもとで,加盟国間の石油の相互融通の方式を定めている。本システムの作動については,メジャーをはじめとする世界の主要石油会社と随時協議の場が設けられている。長期協力の面では,77年の閣僚理事会で決められた85年の石油輸入のグループ目標と,これを達成するために必要な整合的で相互補強的なエネルギー政策の12原則が中心となっている。IEAは,毎年の各国審査により,加盟国のエネルギー政策を12原則と整合性あるものにするよう働きかけている。12原則はさらに充実されてきており,1979年の閣僚理事会では,今後の最も有望な代替エネルギーである石炭の開発利用の拡大のための行動原則(この中で,石油火力の新設禁止が合意されている),また81年の閣僚理事会で,省エネルギー等需要管理に関する19の行動計画が合意されている。研究開発については,太陽エネルギーをはじめとして,新エネルギーの研究開発の情報交換等が活発に行われている。1979年末以降の第2次石油危機は,東京サミット,ベネチア・サミット等の決定と連動して,IEAにいくつかの新たなイニシアティブをとらせた。その中には,新エネルギー開発に関するグループ戦略の策定も含まれている。
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百科事典マイペディア 「IEA」の意味・わかりやすい解説

IEA【アイイーエー】

国際エネルギー機関International Energy Agencyの略称。石油危機を契機に創設された石油消費国の国際機関で,経済協力開発機構(OECD)に属する機関として1974年設立。本部パリ。加盟国24(1999年)。当初は石油輸出国機構(OPEC)に対抗する傾向が強かったが,世界的な石油需要の緩和により1990年代にはエネルギーの安全保障,地球環境,経済成長などについて各国政府の施策に対し長期的な提言を行う活動が重点になってきた。技術開発分野の活動として,再生可能エネルギー,化石燃料核融合など多くのプロジェクトが進行中。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「IEA」の意味・わかりやすい解説

IEA
あいいーえー

国際エネルギー機関

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「IEA」の意味・わかりやすい解説

IEA
アイイーエー

国際エネルギー機関」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内のIEAの言及

【備蓄】より

…1970年代に入って世界は1973年と79年の2度の石油危機を経験した。この過程で,IEA(国際エネルギー機関)が1974年に設立され,その重要な政策の一つとして〈石油の90日備蓄〉が提唱された。これは,前年輸入量の90日に相当する石油をIEA各参加国が平時において備蓄するというもので,石油の供給途絶のような緊急時における重要な対応策の一つとみなされている。…

※「IEA」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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