デジタル大辞泉 「IEA」の意味・読み・例文・類語
アイ‐イー‐エー【IEA】[International Energy Agency]
[補説]一定の条件(前年1日当たり石油純輸入量90日分の備蓄確保など)を満たすOECD加盟国が参加できる。OECD加盟38か国中、アイスランド・スロベニアは不参加、チリ・コロンビア・コスタリカ・イスラエル・ラトビアが加盟申請中。他に、アルゼンチン・ブラジル・中国などOECD非加盟の13か国が協力国として参加している。
国際エネルギー機関International Energy Agencyの略称。OECD(経済協力開発機構)に属する機関として,1974年11月設立。本部所在地はパリ。アイスランド,メキシコ,ポーランド,スロバキアを除くOECD加盟26ヵ国とヨーロッパ連合ヨーロッパ委員会が参加している。最高意思決定機関は,加盟国政府の幹部(局長級)によって構成される理事会Governing Board(GB)で,GBの下に長期協力,石油市場,緊急時融通,産油国関係,研究開発の各常設委員会が設けられている。
石油危機後の74年2月,先進石油消費国13ヵ国はワシントンでエネルギー会議を開いたのに続いて,フランスを除く12ヵ国がエネルギー調整グループ(ECG)を設置,同年11月の会合で国際エネルギー計画(IEP)を決定した。IEAの活動はこの計画に基礎を置いており,その主要なものは〈緊急時融通システム〉と〈長期協力プログラム〉である。緊急時融通システムは,加盟国の1ないし全体の石油輸入量が対前年比で7%以上の削減を受けた場合,GBの決定により発動されるもので,需要制限等一定の条件のもとで,加盟国間の石油の相互融通の方式を定めている。本システムの作動については,メジャーをはじめとする世界の主要石油会社と随時協議の場が設けられている。長期協力の面では,77年の閣僚理事会で決められた85年の石油輸入のグループ目標と,これを達成するために必要な整合的で相互補強的なエネルギー政策の12原則が中心となっている。IEAは,毎年の各国審査により,加盟国のエネルギー政策を12原則と整合性あるものにするよう働きかけている。12原則はさらに充実されてきており,1979年の閣僚理事会では,今後の最も有望な代替エネルギーである石炭の開発利用の拡大のための行動原則(この中で,石油火力の新設禁止が合意されている),また81年の閣僚理事会で,省エネルギー等需要管理に関する19の行動計画が合意されている。研究開発については,太陽エネルギーをはじめとして,新エネルギーの研究開発の情報交換等が活発に行われている。1979年末以降の第2次石油危機は,東京サミット,ベネチア・サミット等の決定と連動して,IEAにいくつかの新たなイニシアティブをとらせた。その中には,新エネルギー開発に関するグループ戦略の策定も含まれている。
執筆者:清木 克男
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…1970年代に入って世界は1973年と79年の2度の石油危機を経験した。この過程で,IEA(国際エネルギー機関)が1974年に設立され,その重要な政策の一つとして〈石油の90日備蓄〉が提唱された。これは,前年輸入量の90日に相当する石油をIEA各参加国が平時において備蓄するというもので,石油の供給途絶のような緊急時における重要な対応策の一つとみなされている。…
※「IEA」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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