IUPAC命名法(読み)あいゆーぱっくめいめいほう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「IUPAC命名法」の意味・わかりやすい解説

IUPAC命名法
あいゆーぱっくめいめいほう

国際純正・応用化学連合IUPAC:International Union of Pure and Applied Chemistry)で制定した化合物の命名法規則(英文)。現在各種の無機化合物有機化合物で報告されているものは1000万を超えている。これらを取り扱う研究者相互の意思疎通を図るためには、化合物の一つ一つ名称について統一された命名規則が必要であると考えられる。このため世界各国の化学者連合であるIUPACによって20世紀初めごろから検討され、有機化合物については1978年総合勧告、1993年決定則を含めたガイドが発表され、無機化合物については1970年決定則、さらに1990年(Ⅰ部)、2002年(Ⅱ部)勧告、2005年勧告が発表されている。さらに20世紀なかばから急速に発展した無機化合物と有機化合物の中間に位置すると考えられる有機金属化合物については1999年に勧告が発表されている。日本では日本化学会がこれに準拠した日本語の命名法規則を発表している。

[中原勝儼]

『平山健三・平山和雄訳・著『有機化学・生化学命名法』上下・改訂第2版(1988~1989・南江堂)』『井藤一良他編著『有機化合物命名のてびき――IUPAC有機化学命名法A,B,Cの部』(1990・化学同人)』『G・J・リー編、山崎一雄訳・著『無機化学命名法――IUPAC1990年勧告』(1993・東京化学同人)』『中原勝儼・稲本直樹著『化合物命名法』(2003・裳華房)』『日本化学会編『化学便覧 基礎編』全2巻・改訂第5版(2004・丸善)』『N・G・コネリー他著、日本化学会化合物命名法委員会訳・著『無機化学命名法――IUPAC2005年勧告』(2010・東京化学同人)』『日本化学会命名法専門委員会編『化合物命名法――IUPAC勧告に準拠』第2版(2016・東京化学同人)』

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