ソフトバンク(読み)そふとばんく(その他表記)SoftBank Corp.

共同通信ニュース用語解説 「ソフトバンク」の解説

ソフトバンク

国内の携帯電話大手。孫正義そん・まさよし氏率いる当時のソフトバンク(現ソフトバンクグループ)が2006年、英ボーダフォン日本法人買収して携帯事業に参入した。15年に社名を「ソフトバンクモバイル」から「ソフトバンク」に変更。国内契約シェアはNTTドコモKDDIに続き3位。20年3月期連結決算は売上高が4兆8612億円、純利益は4731億円だった。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ソフトバンク」の意味・わかりやすい解説

ソフトバンク(株)
そふとばんく
SoftBank Corp.

携帯電話やインターネット接続などを中心とする日本の大手電気通信会社。ソフトバンク企業グループの中核企業の一つで、代表取締役会長はソフトバンク創業者の孫正義(そんまさよし)、代表取締役社長は宮内謙(みやうちけん)(1949― )。移動通信サービス、固定通信サービス、インターネット接続サービス、携帯端末や同関連製品の販売などを手がける。固定電話事業の前身は、旧国鉄を母体に1984年(昭和59)に設立された日本テレコム(後のソフトバンクテレコム)、携帯電話事業の前身は日本テレコムが中心となって1991年(平成3)~1992年に設立した自動車・携帯電話会社の東京・関西・東海デジタルホン(社名はJ-フォン、ボーダフォンを経てソフトバンクモバイルに変更)である。いずれもソフトバンクを中心とする企業グループが買収によって傘下に収めた。2006年(平成18)には、簡易移動情報端末向けの地上デジタル放送サービス(ワンセグ)を視聴できる第3世代携帯電話を発売し、2008年にはアップル社のスマートフォン「iPhone(アイフォーン) 3G」を販売して一気に携帯電話市場でシェアを拡大した。2013年7月、アメリカ携帯電話加入者数第3位のスプリント・ネクステル社を買収し、世界の携帯電話市場で第4位のグループとなった。携帯電話契約数約3931万、資本金約1772億5100万円、従業員数約1万7200人(いずれも2017年3月末時点)。なおソフトバンク(株)は1999年から2015年までソフトバンク企業グループの持株会社であったが、2015年にソフトバンクグループ(株)に社名を変更。それまでソフトバンクモバイル(株)という携帯電話を中心とした電気通信企業が同時にソフトバンク(株)に社名変更した。

[矢野 武 2017年8月21日]

成立に至る経緯

固定電話事業の源流は、日本テレコムで、1986年に電信電話事業の民間開放によって新規参入した事業者のトップを切って、東京―大阪間の企業向け専用サービスを開始し、1988年に市外公衆電話サービスを始めた。旧国鉄やJR各社は列車運行情報をやりとりする送電線光ファイバーを全国に敷設しており、ソフトバンク(株)も日本テレコムから引き継いだ同回線を利用している。1997年には、国際電話第3位の日本国際通信(ITJ)と合併、国内と国際の通信サービスを一貫して行う日本で最初の通信会社となり、同年インターネット接続サービス「ODN」を開始した。2001年にイギリスの大手通信会社ボーダフォングループの傘下に入る。さらに2004年ソフトバンクを中心とする企業グループの傘下に入り、2006年に社名をソフトバンクテレコムに変更した。

 一方、携帯電話事業は自動車・携帯電話の東京・関西・東海デジタルホン(サービス開始は1994年)を源流としており、ソフトバンク(株)のサービス開始も公式には1994年になっている。2001年にイギリスの携帯電話会社のボーダフォングループが日本テレコムグループを傘下に収めたため、2003年にボーダフォンへ社名変更し、2006年にソフトバンクを中心とする企業グループがボーダフォン日本法人を買収してソフトバンク企業グループの傘下に入り、ソフトバンクモバイルに社名を変更した。2015年4月に、ソフトバンクを中心とする企業グループの通信関連4社の再編に伴い、ソフトバンクテレコムがソフトバンクモバイルに吸収合併され、さらに2015年にソフトバンクモバイルからソフトバンク(株)へ社名を変えた。

[矢野 武 2017年8月21日]

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百科事典マイペディア 「ソフトバンク」の意味・わかりやすい解説

ソフトバンク[株]【ソフトバンク】

国内のパソコンソフト流通の最大手。1981年日本ソフトバンクとして孫正義らが設立。1990年現社名に改称。パソコンソフト流通・出版事業・CATVなど事業拡大を展開。メディア戦略遂行のため,1996年ニューズ・コーポレーションと共同で全国朝日放送(現テレビ朝日)の筆頭株主となったが,反発を買い売却譲渡。近年はファイナンス事業,インターネット事業を積極的に展開し,経営破綻して一時国有化された日本債券信用銀行のあおぞら銀行への移行(2000年)の中心となり,ナスダック・ジャパンの創設(2000年)にも大きな役割を果たした。注目のブロードバンド事業も,2003年ようやく軌道にのり始めた。2004年に日本テレコムを傘下に収め,同年プロ野球・福岡ダイエー・ホークスをダイエーから引きつぐことになった(福岡ソフトバンク・ホークスと改称)。2006年4月に英ボーダフォンの日本法人を買収,携帯電話事業に参入した。2013年7月,アメリカ携帯電話大手スプリント・ネクステル(現スプリント)を買収。携帯電話事業の売上で世界第3位規模となる。ポータルサイト国内最大手ヤフーも傘下。本社東京。2011年資本金2137億円,2011年3月期売上高3兆46億円。売上構成(%)は,移動体通信64,固定通信10,ブロードバンド6,インターネット・カルチャー9,その他11。
→関連項目ダイエー[株]NASDAQ

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IT用語がわかる辞典 「ソフトバンク」の解説

ソフトバンク

グループ会社で携帯電話事業やインターネット接続事業などを展開する企業。昭和56年(1981)設立、平成10年(1998)持ち株会社に移行。主な子会社はソフトバンクモバイル、ソフトバンクBB、ソフトバンククリエイティブなど。◇欧文表記は「SoftBank」。

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日本の企業がわかる事典2014-2015 「ソフトバンク」の解説

ソフトバンク

正式社名「ソフトバンク株式会社」。英文社名「SOFTBANK CORP.」。情報・通信業。昭和56年(1981)「株式会社日本ソフトバンク」設立。同57年(1982)現在の社名に変更。本社は東京都港区東新橋。総合通信企業グループの純粋持株会社。携帯電話・ブロードバンド・固定電話などの各事業会社を傘下に置く。東京証券取引所第1部上場。証券コード9984。

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