ホワイトハウス(その他表記)White House

翻訳|White House

デジタル大辞泉 「ホワイトハウス」の意味・読み・例文・類語

ホワイト‐ハウス(White House)

米国の大統領官邸。首都ワシントンのペンシルベニア通り1600番地にある。名称は、その白色の外観に由来。白亜館。転じて、米国政府をいうこともある。→シチュエーションルーム大統領危機管理センター

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精選版 日本国語大辞典 「ホワイトハウス」の意味・読み・例文・類語

ホワイト‐ハウス

  1. [ 1 ] ( [アメリカ] White House ) アメリカ合衆国ワシントン市にある大統領官邸。一八一五年の改装で外観を白色にしたことに由来する。T=ルーズベルト(在任一九〇一‐〇九)時代に公式名となる。白亜館。
    1. [初出の実例]「大統領の官邸は、〈略〉『ホワイトハウス』と云(白館と訳す)」(出典:米欧回覧実記(1877)〈久米邦武〉一)
  2. [ 2 ] 大統領に代表されるアメリカ合衆国の行政府

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ホワイトハウス」の意味・わかりやすい解説

ホワイトハウス
White House

アメリカの大統領官邸。 1818~1902年の正式名称は「エグゼクティブ・マンション」。 1902年,T.ルーズベルト大統領時代に大統領官邸の正式名称となった。所在地は首都ワシントン・コロンビア特別区 (ワシントン D.C.) のペンシルバニア街 1600番地で,庭園を含めた総面積は7万 2000m2。第2代大統領 J.アダムズ以降の全大統領が住居として利用してきた本館は,ワシントン D.C.で最も古い連邦政府の建物である。
1791年,首都になることが決っていたワシントン D.C.に新築する大統領官邸の設計案が公募され,のちに第3代大統領となる T.ジェファーソンらを退けて,フィラデルフィアに住むアイルランド生れの建築家 J.ホーバンの作品が選ばれた。賞金は 500ドル。後期ルネサンスの建築家 A.パラディオの影響を強く受けたジョージ朝建築の3階建て,部屋数 100室以上,建材に灰白色砂岩を用いた大統領官邸は,92年 10月 13日着工され,1800年には完成した官邸の最初の住人として第2代大統領アダムズと夫人のアビゲールが入居した。灰白色の砂岩の外壁が周囲の赤煉瓦の建物と明らかな対照をなしていたことから,早くも 09年には「ホワイトハウス」と呼ばれるようになった。 14年,イギリス軍の進攻によって焼失したが,ホーバンの指示のもとで再建,拡張され,本館の東面と西面にテラスが増築された。 17年,J.モンロー大統領が再建された建物に入居。 1820年代には,半円形の南側玄関,列柱を配した北側玄関がつくられた。その後,20世紀に入るまでは,インテリアに手が加えられたり,少しずつ新しい設備が導入されていった程度で,大規模な改築は行われなかった。
20世紀初めの T.ルーズベルト大統領の時代になると,大統領の執務に用いられていた本館2階部分が大統領一家の居住スペースに転用され,大統領とふえ続けるスタッフのオフィスを拡張するために,テラスで本館と結ばれる別館ウェスト・ウィングが増築された。 1942年には,同様にイースト・ウィングが完成し,執務スペースはさらに広がった。 48年,H.トルーマン大統領の時代に,本館は早急に大がかりな修繕が必要であることが判明し,4年がかりで内部の全面的な改築が行われた。しかし,建物の外壁は,当初の姿のまま残された。 1960年代,J.F.ケネディ大統領の夫人ジャクリーン (→オナシス ) が収集した美術品で館内が装飾された。
現在の部屋数は,建物全体で 130室以上に達する。本館には大統領一家の居住スペースと複数の応接室があり,インテリアはすべて 18世紀と 19世紀の様式で整えられている。本館への正面玄関は北側玄関で,南側玄関は大統領一家のプライベートな玄関として用いられている。西側のテラスにはプールとジムが,東側のテラスには映画館がある。大統領執務室と閣議室,プレスルームはウェスト・ウィングにあり,イースト・ウィングにはそれ以外のオフィスがおかれている。ホワイトハウスは,いまやアメリカのシンボル的存在で,本館の一部は一般公開されており,毎年約 150万人の観光客が訪れる。また,国立首都公園の一部をなしており,1988年には博物館に指定された。

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改訂新版 世界大百科事典 「ホワイトハウス」の意味・わかりやすい解説

ホワイト・ハウス
White House

公式にはアメリカ合衆国の首都ワシントンD.C.にある大統領官邸(の建物)を指すが,アメリカ国内の新聞などでは大統領およびその直属スタッフの代名詞として使われることが多い。むしろそのほうが普通である。所在地は,ワシントンD.C.北西区,ペンシルベニア通り1600番地。地上4階,地下2階,東西50mの文字どおり真っ白に塗られたこの建物は,国家元首の官邸としては,たとえばイギリスのバッキンガム宮殿やロシアのクレムリン宮などに比べると,はるかに小さく,簡素といってよい。このことは,もともと大統領の私邸として建てられたためでもあるが,1790年代,新しい連邦首都に立法,行政,司法の各機関が設置された当時の大統領=行政府の地位を示しているともみることができる。しかし今日,ホワイト・ハウス対キャピトル・ヒル(連邦議会)の関係は,明らかに大統領優位であり,〈大統領の権力〉を意味するシンボル用語としての〈ホワイト・ハウス〉が日常的に多用される背景もそこにある。

 大統領の権限,機能の拡大とともに,大統領府Executive Office of the Presidentの機構,人員も肥大化し,現在,ホワイト・ハウスの建物で執務するのは正副大統領とその直属スタッフだけであり,その他の国家安全保障会議,行政管理・予算局などはホワイト・ハウス西側に近接した大統領府ビルディング(新旧2棟)にその事務局がある。1792年に起工された最初の建物は建築家J.ホーバンの設計によるジョージアン様式の邸宅建築で,1800年J.アダムズ大統領がはじめて住んだが,第2次英米戦争中の1814年にイギリス軍による攻撃で炎上した。現在の建物は,その後数回の増改築を経ている。大統領の執務室や居住室のほか,国賓などを迎える際に使用される公式宴会場イースト・ルームをはじめ多くの部屋がある。一部は観光客にも公開されている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ホワイトハウス」の意味・わかりやすい解説

ホワイトハウス
ほわいとはうす
White House

アメリカ合衆国大統領公邸。所在地は首都ワシントンDCのペンシルベニア・アベニュー1600。2代アダムス大統領のときに完成、1814年イギリス軍に焼かれてから再建されて外壁を白く塗ったことからホワイトハウスとよばれるようになり、20世紀初めセオドア・ルーズベルト大統領のときにこれが正式名称となった。再三の増改築により、現在は地上4階、地下2階、132室があり、大統領の執務室オーバル・オフィスはウェスト・ウィングにあり、2階に大統領とその家族の居住部分がある。

 大統領の行政権限が増大したため、ホワイトハウス・スタッフも肥大化し、いまは正副大統領とその直属スタッフだけがホワイトハウスに詰め、ほかの国家安全保障会議、行政管理予算局などは西側の大統領府ビル2棟に詰めている。なお、ホワイトハウスが大統領職そのものの意味にも用いられるようになり、大統領の旅行先がホワイトハウスとよばれることもある。

[陸井三郎]


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百科事典マイペディア 「ホワイトハウス」の意味・わかりやすい解説

ホワイト・ハウス

米国大統領の住居,官邸。首都ワシントンD.C.のペンシルベニア街にある。1792年着工,1800年第2代大統領アダムズが初めて入居。第2次英米戦争中の1814年,英軍による攻撃で炎上。その後,数回の増改築を経て今日に至る。外壁が白く塗られているのが名の由来である。当初は通称だったが,1902年T.ローズベルトが用いて以後公称となる。なお,大統領および直属スタッフの代名詞として使われることも多い。
→関連項目国家安全保障会議

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世界の観光地名がわかる事典 「ホワイトハウス」の解説

ホワイトハウス【ホワイトハウス】
White House

アメリカの首都ワシントンにある大統領公邸。1800年、第2代大統領ジョン・アダムスが、まだ完成していなかった官邸の最初の住人となって、ここで公務を執った。同国の象徴で世界政治の中心であるこの施設の一部を、ツアーで観光することもできる。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「ホワイトハウス」の解説

ホワイト・ハウス
White House

アメリカ大統領の公邸の通称。執務の場と住居とを兼ねる。1814年アメリカ‐イギリス戦争中ワシントンを襲ったイギリス軍によって焼かれたことがある。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

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