レジ袋規制(読み)れじぶくろきせい

知恵蔵 「レジ袋規制」の解説

レジ袋規制

スーパーやコンビニエンスストアなどで買い物をした際に配布されるプラスチックレジ袋について、有料化や課税製造・販売・使用禁止などの方法で規制すること。
近年、海に捨てられて細かくなったプラスチックを魚が摂取するなど、プラスチックごみによる海洋汚染が世界的な問題となり、レジ袋を含む使い捨てプラスチック製品の使用を減らそうとする動きが広がっている。2018年1月、世界のプラスチックごみの多くを受け入れてきた中国が、プラスチックごみの輸入を禁止したこともあり、ごみの処理を中国に頼ってきた日本などでは、ごみの量を減らすことが急務となっている。
日本ではもともと、地球温暖化対策として、焼却すると二酸化炭素(CO2)が多く出るレジ袋の使用を減らそうと、買い物の際にマイバッグを持参する「マイバッグ運動」が行われてきた。容器包装リサイクル法では、スーパーなどの小売業者に対して、レジ袋の有料化やマイバッグの利用促進などによるレジ袋削減を求めている。だが、義務ではないため、これらはスーパーなどの自主的な取り組みにとどまっている。
国連環境計画(UNEP)の報告書では、1人当たりの使い捨てプラスチックごみの発生量は、日本は米国に次いで世界2位。しかし、18年6月にカナダで開かれた主要7カ国(G7)首脳会議で採択された、プラスチックの削減目標などを盛り込んだ「海洋プラスチック憲章」には、米国と共に署名を見送り、国内外から批判を浴びた。
このため、国レベルでプラスチックごみ削減の取り組みを進めようと、環境省の中央環境審議会プラスチック資源循環戦略小委員会は18年11月13日、2030年までに使い捨てプラスチック排出量の25%削減を目指し、レジ袋の有料義務化などを盛り込んだ「プラスチック資源循環戦略」案を了承した。今後、パブリックコメントを経て、環境相に答申される。

(南 文枝 ライター/2018年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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