レビュー(英語表記)revue

翻訳|revue

デジタル大辞泉 「レビュー」の意味・読み・例文・類語

レビュー(review)

再調査。再検討。
批評記事。文芸・芸能などに関する評論。論評。また、評論雑誌。「ブックレビュー
[補説]雑誌名別項。→レビュー
[類語]コメント寸評

レビュー【The Review】[書名]

英国の小説家デフォーが主宰した雑誌。1704年創刊、1713年廃刊。はじめ週刊誌で、のち週3回発行となる。記事の大半をデフォーが執筆、国内外の政治問題から社会道徳まで幅広い話題を扱った。

レビュー(〈フランス〉・〈英〉revue)

歌・踊り・寸劇などを組み合わせた舞台芸能。華麗な装置・衣装や群舞、スピーディーな場面転換などを特色とする娯楽的な要素の強いショー形式のもの。19世紀末から20世紀にかけて各国に流行し、日本では昭和初期に少女歌劇団が演じて発展した。

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精選版 日本国語大辞典 「レビュー」の意味・読み・例文・類語

レビュー

  1. 〘 名詞 〙 ( [フランス語・英語] revue ) 舞踊・音楽・曲芸・寸劇などを組み合わせた豪華多彩なショーの形式。元来は、フランスで一年間の出来事を歌・寸劇などを交えて風刺的に演じたもので、二〇世紀にはいって世界各国で流行し、徐々に風刺性を弱めてショー的要素に重点を置くようになった。日本では、浅草のカジノフォーリーや、宝塚・松竹歌劇団などによるものが有名。
    1. [初出の実例]「さうして七年後の今日に於ける円タクの洪水、ジャズ、レヴューの嵐が起ったのかも知れない」(出典:時事雑感(1931)〈寺田寅彦〉地震国防)

レビュー

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] review )
  2. 批評。評論。「ブック‐レビュー」 〔外来語辞典(1914)〕
  3. 再調査。再検討。〔外来語辞典(1914)〕
    1. [初出の実例]「試に当代並に其以前の廟堂諸侯の骨相を頭の中でレビューしながら『大臣顔』なるものの要素を分析しやうと試みたのであった」(出典:自由画稿(1935)〈寺田寅彦〉四)

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改訂新版 世界大百科事典 「レビュー」の意味・わかりやすい解説

レビュー
revue

歌,踊り,コントなどを並べた劇場用の芸能。構造上はイギリスミュージックホールで演じられた芸能やボードビルなどに似ているが,個々の出演者の芸だけでなく作者や演出者の才能にも依存し,また出演者が普通は何回も登場すること,おおむね一貫した視点をもつことが違う。語源的には〈再見〉を意味するフランス語がジャンルの名となったもので,1820年代のパリで年末にその年のできごとを風刺的に回顧するために演じられた出し物を起源とする。その後,上演時期に関係なく,おおむね風刺的な内容の短い場面をつないだ芸能を指すようになり,とくにフランス,イギリスとアメリカで栄えた。フランスでは19世紀末にキャバレー,サーカス,カフェでの流行から,さらに大きな専用のミュージック・ホールで上演されるようになって,舞台装置や演出もスペクタクル性を高めた。20世紀に入ると,踊り子による群舞のエロティシズムM.シュバリエJ.ベーカーらの歌手も人気を博して全盛期を迎えた。イギリスのレビューは1893年の《時計の下で》に始まり,1920年代から30年代にかけて,興行師シャルロ André Charlot(1882-1956)が製作したスペクタクル性の強いものと,興行師コクラン Charles Blake Cochran(1873-1951)が製作した風刺的で機知に富むものとを代表とする。両方を通じて,劇作家N.P.カワードが作者,出演者として活躍した。アメリカでは1907年から二十数年にわたって興行師F.ジーグフェルドが製作した,美女のコーラスを呼びものとしたスペクタクル的なものが有名である。その後,60年にイギリスで4人の若い知識人が自作自演で発表し,知的で反体制的な味わいによって話題となった《周辺を越えて》のようなものも現れたが,イギリス,アメリカのどちらにおいてもレビューはもはや過去の芸能である。ただし,アメリカの近年のミュージカルには,一貫した物語を欠き,事実上レビューに戻っているものもある。日本では第2次大戦前の浅草のカジノフォーリー有楽町日本劇場で日劇ダンシング・チームによるレビューが上演されたが,現在は宝塚歌劇団と松竹歌劇団(少女歌劇)の出し物の一部がレビューと呼ばれるほかには,めぼしいものはない。しかし,少女歌劇はスペクタクル性に重点をおく傾向があるため,知的風刺性は乏しい。
ミュージカル
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百科事典マイペディア 「レビュー」の意味・わかりやすい解説

レビュー

大衆演芸の形式の一つ。音楽,踊り,コントなどを並べた雑多な構成からなるショー。19世紀末フランスに起こり,米国に移入されてから20世紀初頭世界的に流行。日本では少女歌劇として発達。→ミュージック・ホール
→関連項目アンドリュースカワードキャロウェー軽演劇ケークウォークチャールストンフォリー・ベルジェールベーカームーラン・ルージュ

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ASCII.jpデジタル用語辞典 「レビュー」の解説

レビュー

システム開発において、工程ごとに成果物の品質を検証する会議。レビューの方法には、開発に携わった者を集めて検証を行うウォークスルー、責任のある第三者が検証を行うインスペクションなどがある。

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デジタル大辞泉プラス 「レビュー」の解説

レビュー

マツダが1990年から1998年まで製造、販売していた乗用車。4ドアの小型セダン。

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世界大百科事典(旧版)内のレビューの言及

【ミュージカル】より

…他方,イギリスではミュージック・ホール,アメリカではミンストレル・ショーバーレスクボードビルなどの大衆芸能にも依存して発達したが,これらの芸能が個々の出演者の芸や個々の場面によって観客に訴えたのに対して,ミュージカルは作品全体の魅力をも重視し,一貫した物語をもつ。この違いは,初期のミュージカルと並行して発展した芸能であるレビューと比べたときにも認められる。すなわち,レビューは個々の場面の配列にくふうをこらし,全体を統一する視点や主題をもつことはあっても,一貫した物語をもつことはない。…

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