三洋電機(読み)さんようでんき

共同通信ニュース用語解説 「三洋電機」の解説

三洋電機

パナソニック創業者の松下幸之助まつした・こうのすけの義弟、井植歳男いうえ・としおが1947年に創業した電機メーカー。コメ粒からパンをつくるホームベーカリーゴパン」や充電池「エネループ」といったヒット商品を生み出した。2004年の新潟県中越地震半導体工場が被災したのをきっかけに経営不振が表面化、経営難に陥った。グループの従業員数が10万人を超える時期もあった。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「三洋電機」の意味・わかりやすい解説

三洋電機(株)
さんようでんき

総合家電メーカー大手の一つ。1947年(昭和22)松下幸之助の義弟、井植歳男(いうえとしお)(1902―69)が、松下電器産業(現パナソニック)を退き、設備も一部譲り受けて三洋電機製作所を創業、自転車用発電ランプを生産。1950年に三洋電機(株)を設立、ラジオ生産も開始、1953年に発売した噴流式洗濯機で大成功を収め経営基盤を確立した。その後テレビ、冷蔵庫、掃除機などの生産も始め、販売網の整備を進めて、1960年ごろには早くも総合家電メーカーとしての業容を整えた。1959年には、三洋電機グループの生産拠点として東京三洋電機(株)を設立、冷凍ショーケース、空調機器など業務用商品にも進出したほか、半導体の生産も開始した。その後VTROA機器、ソーラーシステム、太陽電池、二次電池(蓄電池)へと事業分野を広げた。また1960年に三洋電機貿易(株)を設立して輸出を本格化する一方、海外に生産、販売拠点を設置、70年代末以降76年に製造合弁会社を設立するなど対米進出を積極化。1986年東京三洋電機と合併。2001年(平成13)には洗剤を使わない「洗剤ゼロコース」機能を搭載した洗濯機を発売。近年は太陽電池、二次電池事業を強化するほか、環境活動を積極的に行っている。2005年の業績悪化により翌06年に産業再生法適用を受けた。資本金3222億円(2008)、売上高2兆0178億円(2008、連結ベース)。

[中村清司]

『三洋電機株式会社コーポレートコミュニケーション部編纂『三洋電機五十年史』(2001・三洋電機)』

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百科事典マイペディア 「三洋電機」の意味・わかりやすい解説

三洋電機[株]【さんようでんき】

松下幸之助の義弟井植歳男が1947年に三洋電機製作所を創業,電気洗濯機,テレビなどの家庭電化製品,エレクトロニクス製品で急成長した。1950年現社名。1986年東京三洋電機を合併,1988年英国に現地会社設立。太陽電池を含む電池や大型のシステム空調などで定評。またデジタルカメラ,2次電池,液晶などデバイスにも強い。ノートパソコンや携帯電話機用の充電池は世界トップシェア。長年創業家が経営トップを務めてきたが,2007年,業績悪化の責任を取る形で経営の一線から退いた。2009年12月パナソニックによる株式公開買い付け(TOB)で,パナソニックが50%を超える株式を取得し,同社の子会社となった。本社大阪府守口市,工場群馬,岐阜,大津など。2011年資本金3222億円,2011年3月期売上高1兆4894億円。
→関連項目ハイアール[会社]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「三洋電機」の意味・わかりやすい解説

三洋電機
さんようでんき
SANYO Electric Co., Ltd

家庭用電気機器(家電)総合メーカー。電池製造の有力企業。1947年井植歳男が三洋電機製作所として個人創業,1950年改組して三洋電機を設立。1959年製造専門工場として東京三洋電機,1960年三洋電機貿易を設立。1966年製造専門工場として鳥取三洋電機,1967年三洋自動販売機設立。1953年日本初の噴流式洗濯機を発売,次いで小型の電子式卓上計算機(電卓)開発により,電卓超小型化の先頭を切った。その後大型空調装置,公害関連部門など OA,産業用,非家電生産を展開,多角化を進めている。1986年海外販売の見直しや国内販売の強化をはかるため東京三洋電機を合併。2011年パナソニックの完全子会社となった。

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日本の企業がわかる事典2014-2015 「三洋電機」の解説

三洋電機

正式社名「三洋電機株式会社」。英文社名「SANYO Electric Co., Ltd.」。電気機器製造業。昭和22年(1947)前身の「三洋電機製作所」創業。同25年(1950)設立。本社は大阪府守口市京阪本通。家庭電化製品・電子機器メーカー。完成品のOEM供給で高いシェア。太陽光発電システムなど環境関連事業に注力。東京証券取引所第1部・大阪証券取引所第1部旧上場。平成23年(2011)親会社パナソニックによる完全子会社化にともない上場廃止。

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