地球温暖化を防ぐため、二酸化炭素やメタンなどの温暖化ガスを極力排出しない経済社会像。石油などの化石燃料に過度に頼らずに自然エネルギーを活用し、大量生産・大量消費社会から循環型社会へ脱却することを意味する。日本政府は2050年までに温暖化ガスの排出量を60~80%削減する目標を掲げており、実現には低炭素社会への転換に向けた財政支出、環境税制、法規制が不可欠とされている。
政府は2008年(平成20)に低炭素社会づくり行動計画を閣議決定した。温暖化ガスの排出量が少ない太陽光、水力、風力、地熱、バイオマス(動植物に由来する有機物でエネルギー源として利用できるもの)などの自然エネルギーの活用を促進し、たとえば太陽光発電については2020年までに現在の10倍、2030年までに40倍に増やす目標を示した。
原子力発電所を増設し、2030年前後までに次世代型軽水炉を開発する。2002年(平成14)に新エネルギー等電気利用法(RPS法)が制定され、電力会社は自然エネルギーの一定以上の使用を義務づけられた。また、太陽光で発電した電力を家庭などから高く買い取る制度の導入なども有効とされる。
ガソリンに依存しないエコカーの早期普及を促す減税や補助金なども不可欠とされる。省エネルギー住宅の普及や3R(リデュース、リユース、リサイクル)の徹底も必要であり、サマータイムや脱深夜型などライフスタイルの転換を促す規制も必要との指摘もある。
麻生太郎政権は2009年6月、2020年までの温暖化ガスの削減中期目標について、2005年比で15%減(1990年比で25%減)とすることを定めた。これにあわせ自民・公明党(当時の与党)は低炭素社会づくり推進基本法(仮称)の制定を目ざした。
[編集部]
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(槌屋治紀 システム技術研究所所長 / 2008年)
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