基礎控除(読み)キソコウジョ

デジタル大辞泉 「基礎控除」の意味・読み・例文・類語

きそ‐こうじょ〔‐コウヂヨ〕【基礎控除】

課税所得金額を算定するときに、すべての対象者に対して総所得金額から一律に一定の金額を控除すること。また、その控除金額。

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精選版 日本国語大辞典 「基礎控除」の意味・読み・例文・類語

きそ‐こうじょ‥コウヂョ【基礎控除】

  1. 〘 名詞 〙 課税所得金額を算定するときに、すべての対象者に対して総所得金額から一律に一定の金額を控除すること。またその控除金額。
    1. [初出の実例]「生産経費が大幅に認められ、残りの収入を基礎控除すると」(出典:日本の土(1955)〈読売新聞社会部〉民主化への一歩一歩)

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改訂新版 世界大百科事典 「基礎控除」の意味・わかりやすい解説

基礎控除 (きそこうじょ)

所得税住民税相続税贈与税,料理飲食等消費税(料飲税)に設けられている制度で,税額計算上,一定の金額を課税標準から控除することを指す。イギリスでも日本でも所得税を創設したときは,基礎控除ではなく免税点制度であった。免税点制度は基礎控除と似ているが,課税標準が免税点以下であれば課税はされず,超えるときは課税標準の全額に対して課税される。その結果,税率いかんによっては,免税点の上下にある納税者のあいだで著しい税負担相違が生ずる。ところが基礎控除にすれば,一定の金額を課税の対象から除外する制度であるから,いわば増分に対してのみ課税されるため大きな相違は生じない。基礎控除制度ならば,課税標準が大きくなるにつれて税負担は増加するが,その増加率は免税点制度に比べると急激ではない。そのため所得税創設当時は免税点制度を採用していた国々も,近年になって控除制度を採るようになった。日本で所得税に基礎控除を採り入れたのは1940年とされている。基礎控除は,公平の観点から最低生活の保障を意図しているが,同時に少額所得への課税は徴税費が高まるのみか,租税への抵抗が大きくマイナスである,という点も考慮されて設けられている。
所得税
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「基礎控除」の意味・わかりやすい解説

基礎控除
きそこうじょ

直接税の納税者の負担を軽減するため,課税物件一部を除外する制度。所得税,相続税などにおいて重要であって (所得税法,地方税法,相続税法など) ,各国の税法にその例をみる。日本の所得税法においては所得控除の一つであって,内国居住者たる納税者につき一律無条件に控除されるものであり,2003年時点で,38万円である。納税義務者の最低生活費からは徴税できないとする考え方に立っている (→課税最低限 ) 。

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百科事典マイペディア 「基礎控除」の意味・わかりやすい解説

基礎控除【きそこうじょ】

所得税,住民税,相続税,贈与税などの計算上,年間の総所得金額ないし課税価格から一律に差し引かれる金額。この制度は,特に所得税については,本来最低生活費を免税する趣旨である。

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会計用語キーワード辞典 「基礎控除」の解説

基礎控除

所得税の金額の計算をする場合に、すべての納税者が、総所得金額などから差し引くことができる控除のことです。基礎控除は、すべての納税者が無条件に適用を受けることができます。38万円が控除されます。

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知恵蔵 「基礎控除」の解説

基礎控除

税額を計算する時、課税標準から控除される金額。基礎控除は例えば、所得税が38万円、相続税が[5000万円+1000万円×法定相続人数]、贈与税が110万円など。

(浦野広明 立正大学教授・税理士 / 2007年)

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世界大百科事典(旧版)内の基礎控除の言及

【課税最低限】より

…所得税,住民税において,ある一定の所得金額を超えれば課税される限界を指す。所得税の課税最低限は,基礎控除,配偶者控除,扶養控除の3控除で一定金額が画されている。しかし一般には,給与所得者については給与所得控除と社会保険料控除がプラスされ,また事業所得者については専従者控除と社会保険料控除がプラスされ,それぞれの課税最低限とされている。…

【所得税】より

…このような所得控除を設けている理由は大別して三つある。(1)最低生活費には免税という理由であり,基礎控除はその典型といえる。先の第1段階で設けられている給与所得控除,退職所得控除,そして山林・譲渡・一時所得の特別控除も少額所得非課税という意味でここに入る。…

※「基礎控除」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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