女帯をお太鼓結び系に属する帯結びにするとき、形を整えて最後の仕上げに締める紐(ひも)のことをいう。組紐と布の紐とがある。前者には丸く組んだ丸打ちと、平らに組んだ平打ちの2種がある。帯、帯揚、長着、草履(ぞうり)など、和服着装の総合的配色のポイントとなり、全体を引き締める。布の紐は丸絎(まるぐけ)といい、木綿綿(もめんわた)を固く、直径1~2センチメートルの太さに巻いた芯(しん)を羽二重(はぶたえ)でくるみ、絎(く)ける。両端には、糸房をつける。留袖(とめそで)には白、喪服には白または黒を用い、帯揚と色をそろえる。婚礼衣装、七五三の祝い着には金襴(きんらん)、錦(にしき)の丸絎を用いる。若い人、女児には緋(ひ)の羽二重丸絎を用いる。趣味的には革にろう染めをしたもの、無地染めをしたものなども用いられる。帯締は、江戸時代中期以降、帯幅が広くなってきて、1813年(文化10)江戸・亀戸(かめいど)天神の太鼓橋再建完成のおりに、太鼓結びが結ばれるようになってから用いられた。帯締より先に銀製のパチン留の帯留が用いられており、のちに平打ちの細目の帯締に金具を通して、これを前中心にもってくるようにして、紐の結び目は後ろの帯の中に入れて隠す方法がとられた。以前は帯留、帯締の区別がはっきりしていなかったが、現在は紐のみを帯締といって区別しており、近年は帯締が多く用いられている。
[藤本やす]
… 作り帯前帯と後帯が別仕立てになっている帯で,太鼓結びのほか半幅帯や子ども用の祝帯の変り結びもある。
【女帯の付属品】
帯締結んだ帯が解けないように用いる長さ約1.5mの細い紐。丸組み,平打ちの組紐と,江戸末期ころから使われていた,丸い棒状にして芯に真綿を入れた丸ぐけがある。…
※「帯締」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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