手取り(読み)テドリ

デジタル大辞泉 「手取り」の意味・読み・例文・類語

て‐どり【手取り】

給与などから税金その他を差し引いた、正味の受取金。実収入。→税込み
糸などを手で繰り取ること。手繰り。
(「手捕り」とも書く)素手で捕らえること。「川魚手取りにする」
[類語]実収収入所得入金収益実入り稼ぎ現収月収年収歳入定収インカム

て‐とり【手取り】

《「てどり」とも》
人をだまして操るのが巧妙なこと。また、その人。
「なかなか如才のない女です。まあ―でしょう」〈秋声足迹
相撲のわざの巧みなこと。また、その力士

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精選版 日本国語大辞典 「手取り」の意味・読み・例文・類語

て‐どり【手取・手捕】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 糸などを機械にかけないで手で繰り取ること。手繰り。
  3. 素手(すで)でつかまえること。いけどりにすること。
    1. [初出の実例]「かるめ、あざけりて、手どりにせんとするをききて」(出典:九冊本宝物集(1179頃)六)
    2. 「大鹿にはせならびて角をとりて手どりにもとりけり」(出典:愚管抄(1220)五)
  4. 手に入れる金。収入のうち、仕入れ値段、経費、税金などの諸費用を差し引いて実際に手に入る金額。また、その金高。実収入。純益手取金。手取高。
    1. [初出の実例]「かこひとはしの挙銭は、親方の手取(テドリ)には替はなけれど」(出典:浮世草子・好色貝合(1683)上)
    2. 「其得る所の月給は正味手取の利益なり」(出典:学問のすゝめ(1872‐76)〈福沢諭吉〉一〇)
  5. 水を注ぐ具。薬罐(やかん)などの類。
    1. [初出の実例]「火葬するに、石の如(ごとく)にしてやけざるものの、手取の勢なるあり」(出典:梵舜本沙石集(1283)七)
  6. 釜のとって。また、とってのついた釜。
    1. [初出の実例]「茶をものまじと世をぞ捨ぬる 山ずみに手取もちてもなにかせん」(出典:俳諧・竹馬狂吟集(1499)一〇)
  7. てとり(手取)

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