デジタル大辞泉 「教授」の意味・読み・例文・類語
きょう‐じゅ〔ケウ‐〕【教授】
1 学問や技芸を教え授けること。「書道を
2 児童・生徒・学生に知識・技能を授け、その心意作用の発達を助けること。
3 大学や高等専門学校・旧制高等学校などで、研究・教育職階の最高位。また、その人。「大学
[類語](1)助言・教示・訓示・アドバイス・コンサルティング・カウンセリング・指導・導き・教え・手引き・指南・教育・訓育・教導・
大学における研究・教育の組織の中枢にあって、専門とする学術の進歩ならびにその教育に対して責任を負う職であり、准教授など大学の教師のなかの最高位に位置する。従来大学の講座の担当者として大きな影響力をもっていた。なお、大学の付置研究所などには研究に主力を注ぐ教授も置かれている。学校教育法は「教授は、専攻分野について、教育上、研究上又は実務上の特に優れた知識、能力及び実績を有する者であつて、学生を教授し、その研究を指導し、又は研究に従事する」(92条6項)と規定している。教授の資格については、大学基準協会が1947年(昭和22)に定めた大学基準およびこれを母体としてつくられた大学設置基準(昭和31年文部省令28号)に規定がみられる。後者によると、教授となる資格は、教育研究上の業績や教員の経歴が重視され、博士の学位を有するか、もしくはそれに準ずる業績の認められる者、大学における助教授(学校教育法改正により2007年4月より准教授)の経歴または旧制の高等学校・専門学校における5年以上の教授の経歴があり、教育研究上の業績の認められる者、芸能・体育などについては特殊の技能に秀で教育の経歴のある者、としている。大学基準によると、大学院の教授の場合は、学位をもつだけで十分であるというのではなく、研究の指導ならびに教育上の能力および識見をもっていることが必要である。
准教授は、一般に大学教員の中堅層にあり、教授候補となっている。学校教育法では第92条7項に准教授について規定がある。また、准教授の資格については、大学設置基準の第15条に定めがある。
大学教授はその真理探究や教育についての活動においては自由であり、官僚統制には服さない特権を与えられている。このことは、学問や教育という特別の事項の性質に由来する。しかしこれによってまた大学教授は、大学の研究機関、教育機関としての使命を果たす義務を負う。なお、大学は、学長、教授、准教授または講師として大学に多年勤続した者であって、教育上または学術上とくに功績のあった者に対し、当該大学の定めるところにより、「名誉教授」の称号を授与することができる(学校教育法106条)。
大学の学部は教師団という意味もあり、自己の意志決定機関として教授会が設けられてきた。教授会は従来の学部以外の学内組織にも設けられるようになった。教授会の組織は教授を本体とするが、准教授そのほかの職員を加えることができる(学校教育法93条2項)。教授会が審議する事項は、(1)講座・学科ならびに教育・研究に関する施設の設置・廃止、(2)教育課程、(3)学生定員の決定、学生の入学・退学・転学・休学・卒業、(4)学生団体・学生活動・学生生活、(5)学生の懲戒、(6)そのほか教育・研究および運営に関する重要事項、などである。大学の学長や部局長の採用、ならびに教員の採用と昇任は選挙によるが、その選考は、大学管理機関が行うことになっている。この場合の「大学管理機関」は、一個の学部を置く大学にあっては、当分の間、「教授会」に読み替えられる(教育公務員特例法25条1項)。
[手塚武彦]
大学の教員のうち最上位の職階。学校教育法92条は教授を必置の職とし,その資格・職務を「専攻分野について,教育上,研究上又は実務上の特に優れた知識,能力及び実績を有する者であつて,学生を教授し,その研究を指導し,又は研究に従事する」と規定している。教授は教授会の必要構成員である。大学設置基準14条は「大学における教育を担当するにふさわしい教育上の能力を有すると認められる者」で,①博士の学位(外国において授与されたこれに相当する学位を含む)を有し,研究上の業績を有する者,②研究上の業績が前号の者に準ずると認められる者,③専門職学位(外国において授与されたこれに相当する学位を含む)を有し,当該専門職学位の専攻分野に関する実務上の業績を有する者,④大学において教授,准教授又は専任の講師の経歴(外国におけるこれらに相当する教員としての経歴を含む)のある者,⑤芸術,体育等については,特殊な技能に秀でていると認められる者,⑥専攻分野について,特に優れた知識及び経験を有すると認められる者のいずれかの条件に該当する者が教授になることができると定めている。
著者: 大場淳
出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…第2次大戦後はとくに大学の高等教育機関的性格が強まり,(3)の機能が増大している。日本の大学の目的は,1947年制定の学校教育法によれば〈学術の中心として,広く知識を授けるとともに,深く専門の学芸を教授研究し,知的,道徳的及び応用的能力を展開させることを目的とする〉(52条)とされている。これもいずれかといえば,一般教育,専門教育,諸能力の育成などの教育的機能を重視した規定である。…
…エジプトで教職に就き,カフカの影響の濃い《野鴨狩り》(1937)で文壇に登場。1人の理想主義的な教授が隣国の圧迫の危機に首相に選ばれ,暴力と虚偽を拒否しながら右翼とコミュニズムの板挟みになり,ひとたまりもなく敗退していく姿を描いた《教授》(1938),ある架空の空軍基地の住民の革新的な世界と土地の人間の伝統との相克を描いた《空軍基地》(1941),天才狂人支配下の政治的監獄を描いた《石の人間たち》(1949)があり,イギリスの良識的リベラリストの立場から見た現代の危機を明晰な寓話物語の形で描く。このほか古典学者としての紹介・翻訳もひじょうに多く,小説も1950年以降は《シーザー皇帝》(1960),《ペリクレスとアテネ人たち》(1963)といった歴史小説を主として発表している。…
※「教授」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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