出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
アジア大陸の東岸から南方へ突出した半島。半島の南北距離840キロメートル、東西の最長距離354キロメートル。俗に三千里半島ともいわれている。西海岸および南海岸に3300余の島嶼(とうしょ)を含んでいる。総面積22万0741平方キロメートルで、そのうち島嶼の面積は約6000平方キロメートル。朝鮮の地形は北高南低であり、全国土の75%が山地である。山地はおおむね老年ないし晩・壮年期の地形をなしている。楸哥嶺(しゅうかれい)地溝帯以北は高山性で険しく、以南地方は低山性で丘陵や平地が多い。東西間の地形も非対称的で、東部は高く東海岸に沿って断層崖(がい)をなす部分が多く、西部は山地の傾斜も緩慢で丘陵や平地が優勢である。東西間の分水界をなすのが狼林(ろうりん)山脈であり、半島の脊梁(せきりょう)をなすのが太白山脈である。西部に展開する遼東(りょうとう)方向の江南妙香・狄踰嶺(てきゆれい)山脈は西海斜面に向かって漸次低下し、南部では車嶺(しゃれい)、蘆嶺(ろれい)、小白山脈が遼東方向および中国方向に走り、多くの丘陵地を形成している。河川は地形の特徴から日本海に流れる大河は豆満江(とまんこう)のみで、鴨緑(おうりょく)江をはじめ多くの河川が黄海に注いでいる。地質は地体構造上、東部アジアの大構造の一部分として、大部分は中国陸塊の東側縁辺部に属している。基盤岩類は花崗片麻(かこうへんま)岩と結晶片岩で、全国土の43%を占めている。中生代の貫入岩石24%、新期噴出岩8%、堆積(たいせき)岩22%の割合である。朝鮮の気候は大陸性気候であるが、南部の海岸地方は海洋性気候の影響を受けている。年平均気温は南部沿岸14℃、ソウル11℃、咸鏡(かんきょう)北道の甲山4℃で、もっとも寒い1月は0℃以上の地域は南部沿岸に限られる。年降水量は南部沿岸1500ミリメートル、内陸高原500ミリメートル以下である。
[魚 塘]
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