日本大百科全書(ニッポニカ) 「東日本旅客鉄道」の意味・わかりやすい解説
東日本旅客鉄道(株)
ひがしにほんりょかくてつどう
日本国有鉄道(国鉄)が分割・民営化したことにより、1987年(昭和62)4月に発足した旅客鉄道会社の一つ。略称、JR東日本。英語名はEast Japan Railway Company、略称はJR East。JR本州3社(JR東日本、JR東海、JR西日本)に含まれる。1993年(平成5)に株式上場し、2002年(平成14)に完全民営化した。資本金は2000億円である。本社は東京都渋谷区代々木(よよぎ)。日本の人口の約3割が住む首都圏に多くの路線をもち、通勤輸送の大役を担っている。JR旅客鉄道会社6社のなかで営業路線距離は最長である。東北地方全域(青森県の一部を除く)、関東地方全域(神奈川県の一部を除く)、新潟県の大部分、山梨県・長野県のそれぞれ約半分、静岡県の一部地域を営業区域とする。JR東日本の運行する新幹線は、東北新幹線、上越新幹線、北陸新幹線である。山形新幹線、秋田新幹線も運行しているが、これらは東北新幹線に乗り入れて運転される在来列車(ミニ新幹線方式)の通称である。鉄道収入の割合は65%前後。混雑緩和、ホームの安全対策、インバウンド対応等の課題解決に迫られている。鉄道以外の事業も幅広く展開し、とくに流通や不動産事業等の多角化を積極的に進めている。
[土居靖範 2018年7月20日]