半日周期で上下に変化する海面の水位。太陽や月の引力などによって引き起こされ、最も高くなるときを「満潮」、最も低くなるときを「干潮」と呼ぶ。季節による変化があり、日本では海水温の高い夏から秋にかけて高くなる傾向がある。気象庁は、浮きなどを使った「検潮所」や、電波や音波で海面を測る「津波観測計」で常時観測している。観測された過去最高の潮位は、1959年の伊勢湾台風による3・89メートル。
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一定の基準面から測定した海面の高さのことで、潮高ともいう。波浪やうねりなど短周期の海面の昇降を除く。潮汐(ちょうせき)の観測では、観測値にあまり負の値が現れないように、平均的な海面よりかなり下に設定された潮位観測基準面datum lineを基準にして、潮位を測定する。永年の観測資料の平均をとって平均海面mean sea levelが求められる。
日本では陸地の高さ(標高または海抜高度)の基準として東京湾平均海面が用いられている。元来は東京霊岸島(れいがんじま)における1873~1879年(明治6~12)の潮汐観測で得られた満潮と干潮の平均であるが、1891年に日本水準原点(東京都)下24.5000メートルと定められた。その後、関東大震災(1923)時に水準原点の高さが変動したので、1928年(昭和3)に原点下24.4140メートルと変更され、さらに、2011年(平成23)3月の東日本大震災による変動を考慮して、同年10月に原点下24.3900メートルと改正されている。
一方、海図などに記されている水深の基準は基本水準面chart datumとよばれ、各地の平均海面から大潮の最大潮差の半分ほど下に設定されている。潮汐表では、この基本水準面を基準にして潮位の予報を行っている。
[岡田正実]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 (財)日本水路協会 海洋情報研究センター海の事典について 情報
…1971年9月初旬,日本列島の太平洋沿岸一帯の水位が異常に高まり,各地で浸水が起こった。この現象を異常潮位と呼ぶ。異常潮位は高潮(ふつうは台風に伴う大気の圧力降下と風の吹寄せが原因で起こる)と異なり,その起こる海域が広範囲にわたっているのが大きな特徴である。…
…験潮場とも書く。潮の干満で上下に運動している海面の高さ(潮位)を,長期間連続して観測することを検(験)潮といい,そのために設けられた施設を検潮場,潮位を自動的に記録する器械を検(験)潮器(儀)という。検潮場は,海岸近くに掘られた井戸の中に管で海水を導き,雨風や波浪に妨げられることなく,井戸内で潮位の観測ができるようになっているのが一般的である。…
※「潮位」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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