状況証拠(読み)ジョウキョウショウコ(その他表記)circumstantial evidence

デジタル大辞泉 「状況証拠」の意味・読み・例文・類語

じょうきょう‐しょうこ〔ジヤウキヤウ‐〕【状況証拠】

証言文書物件によらず、犯罪事実を間接的に推測させる証拠

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「状況証拠」の意味・読み・例文・類語

じょうきょう‐しょうこジャウキャウ‥【状況証拠・情況証拠】

  1. 〘 名詞 〙 犯罪事実を間接的に推測させる事実。また、そのような間接事実証明するもの。間接証拠
    1. [初出の実例]「決定すべき情供証拠は決して失誤なきものとす」(出典:講学余談‐一号(1877))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「状況証拠」の意味・わかりやすい解説

情況証拠 (じょうきょうしょうこ)
circumstantial evidence

要証事実存否を間接的に証明する証拠。例えば,殺人罪立証について,被告人に被害者を殺害する動機があったとの事実,被告人が事件後逃亡したとの事実などがこれにあたる。このように,情況証拠は,要証事実を立証する証拠としての性質を持っているとともに,それ自体が証拠による証明の対象となる事実でもある。そこで,これを間接事実ともいう。間接事実を立証するための証拠を間接証拠というが,情況証拠が間接証拠の意味で用いられることもある。情況証拠については,要証事実との関連性relevancyが問題とされることが多い。情況証拠は,要証事実の存在時期に対する時間的前後により,予見的証拠,同時的証拠,回顧的証拠に,また,要証事実を推認させる直接性の程度により,近接的証拠,遠隔的証拠に,それぞれ分類することができるが,情況証拠による事実認定においては,論理法則および経験則に反することなく,できるだけ近接的情況証拠を多面的に収集・検討する必要がある。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

ビャンビャン麺

小麦粉を練って作った生地を、幅3センチ程度に平たくのばし、切らずに長いままゆでた麺。形はきしめんに似る。中国陝西せんせい省の料理。多く、唐辛子などの香辛料が入ったたれと、熱した香味油をからめて食べる。...

ビャンビャン麺の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android