男山(読み)オトコヤマ

デジタル大辞泉 「男山」の意味・読み・例文・類語

おとこ‐やま【男山】[地名]

京都府南西部、八幡やわた市にある山。標高143メートル。山頂に石清水いわしみず八幡宮がある。雄徳山。八幡山

おとこ‐やま〔をとこ‐〕【男山】

険しい男性的な山。一対の山のうち、一方を男性に見立てていう語。→女山

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精選版 日本国語大辞典 「男山」の意味・読み・例文・類語

おとこ‐やま をとこ‥【男山】

[1] 〘名〙
① けわしい男性的な山。一対の山のうち、一方を男性に見たてていう語。男岳(おだけ)。⇔女山
② 兵法で、見晴らしがきいて敵が攻め上るのに不便な山をいう。陽山(ようざん)。⇔女山
③ 兵庫県伊丹地方から産出される銘酒
※洒落本・金錦三調伝(1783)「酒は二合ばかし。もちろんけんびしか男山」
④ 香木の名。分類は伽羅(きゃら)。百二十種名香の一つ。
[2] 京都府八幡(やわた)市の北部にある山。淀川を隔てて天王山と対する。京都への西の関門をなし、南北朝以来しばしば戦場となる。山頂に石清水八幡宮がある。標高一四二メートル。雄徳山。八幡山。御山(おやま)

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日本歴史地名大系 「男山」の解説

男山
おとこやま

淀川を隔てて北にある天王てんのう山と相対し、京都・大阪府境の山崎やまざき地峡を形成する。標高一二三メートルの頂上には石清水いわしみず八幡宮が鎮座する。雄徳おとこ山・八幡やわた山・はとみねともいうが、鳩ヶ峰はさらに西の標高一四二・五メートルの山をさすともいう。男山は丘陵となって南へ続き、ほらヶ峠で河内との国境をなし、さらに東南の美濃山みのやまから綴喜郡田辺たなべ町の松井まつい大住おおすみへと続く。

「日本後紀」延暦一五年(七九六)九月一日条に「勅、遷都以来、于今三年、牡山烽火、無相当、非常之備、不、宜山城河内両国、相共量定便処彼烽燧」とあって、古くより要害の地であることを示す。

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改訂新版 世界大百科事典 「男山」の意味・わかりやすい解説

男山 (おとこやま)

京都府南部,八幡市北西部の小丘。八幡山ともいう。大阪府境に近い生駒山地の北端部にあたり,古生層からなる。最高所は鳩ヶ峰の142m。木津川,宇治川,桂川の3川合流点に臨み,北岸の天王山と相対する。男山の北側一帯は幹線交通が集中する交通上の要衝で,北西麓の橋本は3川合流点北岸の山崎と並ぶ交通集落であった。橋本は京街道(大坂街道,京坂街道)の宿場町,淀川水運の河港として栄え,男山南部の洞ヶ峠を通る東高野街道も南北交通の要路であった。男山には9世紀に宇佐八幡宮から勧請された石清水(いわしみず)八幡宮がある。住宅・都市整備公団(現,都市再生機構)男山団地(1972年入居開始)の開発を機に宅地開発が進んだ。
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[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクション 「男山」の解説

おとこやま【男山】

北海道日本酒。酒名は、京都・石清水八幡宮の別称「男山八幡宮」に由来。主力の「秘造り」は精米歩合60%で仕込む本醸造酒。ほかに純米大吟醸酒、純米酒などがある。平成1、2、11、13、15、21、22、24~26年度全国新酒鑑評会で金賞受賞。原料米は山田錦美山錦、トヨニシキ、吟の精など。仕込み水は大雪山系の伏流水。蔵元の「男山」は、寛文年間(1661~73)伊丹で創業した「木綿屋」の商標を継承し明治32年(1899)創業。所在地は旭川市永山二条。

おとこやま【男山】

山口の日本酒。酒名は、もともと灘の銘柄だった「男山」の商標を地元の山名にちなみ購入し命名。レンガ造りの蔵で貯蔵。純米吟醸酒、純米酒、本醸造酒などをラインナップ。「秘蔵酒1975年」は30年以上熟成させた吟醸古酒。原料米は山田錦、日本晴。仕込み水は厚狭川の伏流水。蔵元の「永山酒造」は明治20年(1887)創業。所在地は山陽小野田市大字厚狭。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「男山」の意味・わかりやすい解説

男山
おとこやま

京都府南西部、八幡(やわた)市にある山。標高123メートル。淀(よど)川の左岸に位置し、右岸の天王山(てんのうざん)と相対して京都盆地の西の門戸をなす。また、京都府と大阪府との境界にある甘南備(かんなび)丘陵の最北端に位置する。山頂には誉田別尊(ほんだわけのみこと)を祀(まつ)る石清水八幡宮(いわしみずはちまんぐう)(男山八幡宮)がある。山麓(さんろく)の京阪電鉄男山駅よりケーブルが通ずる。

[織田武雄]


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歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典 「男山」の解説

男山
(通称)
おとこやま

歌舞伎・浄瑠璃の外題。
元の外題
けいせい雄床山
初演
享保1.1(京・布袋屋座)

出典 日外アソシエーツ「歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典」歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典について 情報

デジタル大辞泉プラス 「男山」の解説

男山

北海道、男山株式会社の製造する日本酒。全国新酒鑑評会で金賞の受賞歴がある。

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